業界情報

看護師の働き方を紹介!病院以外の勤務先や土日休みができる職場など

記事掲載日:2023/06/22

看護師の働き方を紹介!病院以外の勤務先や土日休みができる職場など

看護師として働くなら、自分に合った働き方を見つけたいですよね。しかし、ライフイベントと仕事の両立が難しいと悩む看護師の方も意外と多いはず。今回は看護師の働き方について、働く場所・勤務パターン・雇用形態などの要素を踏まえてご紹介します。看護師として理想の働き方を見つける方法もご案内しますので、ぜひチェックしてください。

看護師は働き方をたくさん選べる!

看護師が働く場所は、病院以外にもたくさんあります。勤務先によって、働き方はさまざまです。

妊娠・出産や育児、介護などがあると働ける条件も変わり、今とは違う働き方をしたいと思う方が多いでしょう。ライフスタイルの変化に合う形で看護師の仕事を続けたい方は、働き方を変えるのがおすすめ。

看護師の働き方は、勤務先の数だけあります。今いる職場 にこだわらず、理想の働き方が実現できる職場を探してみましょう。

【看護師が選べる「働き方を変える要素」】
・働く場所
・勤務パターン
・雇用形態

看護師が働く場所

Community-based integrated care systems2.jpg

看護師の働き方には、働く場所が大きく関係しています。自分に合った働き方ができる勤務先を選びましょう。ここでは、看護師の主な勤務先とそれぞれの特徴を紹介します。

中規模以上の病院

一般的に「病院」は、20床以上の入院設備を備える医療機関をいいます。各病院の規模によって、看護師の働き方はさまざまです。

ある程度規模が大きな病院では、病棟と外来に分かれて働くのが一般的。病棟勤務の場合、看護師は24時間体制で患者さまの看護ケアに対応します。一方、外来看護師は基本的に日勤のみの勤務です。中規模以上の病院では、看護師の業務の幅が広い特徴があります。

大学病院

大学病院には、国立大学や私立大学の附属病院が挙げられます。高度かつ最先端の医療を提供する病院であり、より専門的な診察を担っています。

大学病院は、診療科が細かく分類されているため、看護師も配属先の診療科ごとの業務を担当。主な仕事内容は一般病院と大きく変わりません。しかし、症例数が少ない稀な病気や重症の患者さまが多いこと、研修医が多くいることもあり、看護師の業務の幅は多少限定されます。

クリニック・診療所

クリニックや診療所とは、病床数が19床以下または入院設備がない医療機関※です。基本的に外来業務のため、看護師は日中のみ勤務します。

クリニックは、病院よりも少ないスタッフで運営する施設です。看護師は、看護業務と直接関係のない仕事を求められることも多いでしょう。勤務先によっては、事務作業や販売業務を任されることもあります。

※クリニックや診療所の中には、ベッドがあり、通院もしくは入院して治療を行うことができる医療施設「有床診療所」も含まれます。

介護保険施設

介護保険施設とは、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどです。介護保険施設には、看護師の配置が義務付けられています。

働き方は、日勤のみから夜勤もある場合まで施設によってさまざま。 主に、利用者さまや入居者さまの健康管理・投薬管理を行います。

介護保険施設では、看護師が対応できる医療行為が限定されているため、病院と比べると仕事量は少なめです。ただし、緊急時の対応や介護職員などとの連携力が求められます。

保育園

保育園で働く看護師の主な業務は、園児の健康観察や緊急時の対応などです。集団感染予防にも重要な役割を果たしており、園児や保育士、ご家族に向けて感染対策の指導を行います。

このほか、保育のお手伝いをするケースも。日勤のみで、日曜日や祝日は休みになるケースがほとんどですが、看護師業務以外の仕事が増えるでしょう。

保健所・保健センター

保健所や保健センターで働く看護師には、地域の人々の健康を支援する役割があります。主な仕事内容は、健康相談や家庭訪問、健康診断、予防接種の実施などです。

地方自治体によって運営されている施設のため、看護師は地方公務員として働きます。日勤が中心であり、土日や祝日は休めることが多いでしょう。保健師免許を求められるケースも多いようです。

企業

一定以上の規模の企業には看護師が常駐し、従業員やご家族の健康を支えています。健康診断の実施や結果の説明、保健指導が主な仕事内容です。

企業の営業日に合わせた働き方をしますが、多くの場合土日祝日は休みで夜勤もありません。医療行為は応急処置程度で少なく、事務作業が多くなる特徴があります。また、保健師免許を求められるケースも多いようです。

大学・専門学校などの教員

看護師は、看護大学や看護学校などで教員として働くことも可能。看護師を目指す学生に、学科科目や看護技術を教える仕事です。

日勤のみの仕事ですが、授業だけでなく授業に必要な資料の作成や技術演習の準備、学生との面談、学生実習での指導、看護研究なども行います。看護師としての経験を存分に活かせる働き方といえるでしょう。看護教員になるには、指定の経験や学位が必要です。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、訪問看護をする看護師にとって拠点となる場所です。訪問看護ステーションに勤める看護師は、患者さまの自宅や施設に伺い、健康観察や医療処置などを行います。

多くの場合1人で訪問するため、ある程度の看護スキルと経験が必要です。基本的に夜勤はありませんが、24時間対応の訪問看護ステーションに勤める場合はオンコール当番があります。

障害者支援施設

障害者支援施設は、知的障害や身体障害を持つ方が入所・通所する施設です。仕事内容は、施設の形態や利用者さまの介護度・重症度により多少違いますが、看護よりも介護の側面が強くなります。

ほとんどは日勤のみですが、入所型の施設では夜勤がある場合も。残業が少ないため、ワークライフバランスを保ちやすい傾向が見られます。

看護師の勤務パターン

Community-based integrated care systems2.jpg

看護師の働き方は、勤務パターンによっても大きく異なります。看護師の勤務パターンは、日勤と夜勤の主に2種類です。同じ職場でも、所属部署によって複数の勤務パターンを採用していることもあります。看護師の勤務パターンについて詳しく見ていきましょう。

2交替制

2交替制は、日勤と夜勤の2つのパターンに分かれて働く体制です。2交替制を採用している職場は半分弱程度といわれており、採用する病棟は年々増加しています。夜勤の勤務時間が長いため、生活パターンをつかみやすいメリットがある一方、拘束時間が長く心身のバランスを乱しやすいというデメリットがあります。

【勤務時間例】
日勤8:00~17:00(8時間勤務・1時間の休憩あり)
夜勤16:30~9:00(約14時間勤務・2~3時間の休憩あり)

【メリット】
・プライベートとのバランスを取りやすい
・夜勤の次の日は休みになる
・高い収入が見込める

【デメリット】
・長時間労働により、心身のバランスを崩しやすい

3交替制

3交替制は、日勤・準夜勤・深夜勤に3パターンに分けて働く体制です。3交替制は半分以上の職場で採用されているといわれています。

3交替制は、夜勤がある職場でもっとも採用されている働き方です。拘束時間が短く負担が少ないメリットがありますが、出勤や退勤が深夜になる、次の勤務までの間隔が短いというデメリットがあります。

【勤務時間例】

日勤8:00~17:00(8時間勤務・1時間の休憩あり)

準夜勤16:30~00:30(8時間勤務・1時間の休憩あり)

深夜勤0:00~9:00(8時間勤務・1時間の休憩あり)

【メリット】
・一度に働く時間が短く、心身に余裕ができやすい

【デメリット】
・夜勤明けの休みが短い
・すぐに出勤となる可能性があり、プライベートとのバランスを取りづらい
・公共の交通機関が動いていない時間帯に通勤しなければいけない可能性がある

日勤のみ

日勤は、日中に8時間勤務する働き方で、夜勤はありません。入院設備がないクリニックや施設では日勤のみの勤務が可能です。

日勤のみはプライベートとのバランスを取りやすいメリットがありますが、夜勤手当が出ない分、夜勤をする場合よりも給与が下がります。

【勤務時間例】
日勤8:00~17:00(8時間勤務・1時間の休憩あり)

【メリット】
・夜勤がないため夜はしっかり休める
・プライベートとのバランスを取りやすい

【デメリット】
・夜勤手当はもらえない

夜勤専従

夜勤専従とは、3交替制・2交替制のうちの夜勤シフトだけに入る働き方です。24時間体制の病院や介護施設など、夜勤の人手が必要な職場で取り入れられています。

夜勤手当がもらえるため、少ない出勤日数で高収入を見込めるメリットがありますが、昼夜逆転生活が続くことで体調を崩しやすくなるデメリットがあります。

【勤務時間例】
16:30~9:00(約14時間勤務・2~3時間の休憩あり)

【メリット】
・高い収入が見込める

【デメリット】
・昼夜が逆転するため、健康管理が必要になる
・昼に働く人との人付き合いが難しい

土日祝休み

看護師はシフト制で働くことがほとんどですが、日勤のみの職場の中にはカレンダー通りの休みにしている場合もあります。

土日休みの場合、パートナーや子どもと休日を合わせられるため予定が立てやすいことがメリットです。一方デメリットとしては、街中が空いている平日に外出するのが難しいことが挙げられます。

【勤務時間例】
平日 8:00~17:00(8時間勤務・1時間の休憩あり)

土日祝日 休み

【メリット】
・プライベートの充実がはかりやすい
・休みが確保されており、心身に余裕ができやすい

【デメリット】
・平日の人が少ないときの旅行や外出ができない

時短勤務

時短勤務は、育児・介護休業法によって定められている働き方です。正式には「短時間勤務制度」と呼ばれ、従業員が申請することで通常よりも短い時間で働けます。

子育てや介護などをしている人は時短勤務にすると、プライベートと仕事の両立をしやすいでしょう。

【勤務時間例】
8:00~14:45(6時間勤務・45分休憩)

【メリット】
・プライベートとの両立がしやすい

【デメリット】
・高収入にはなりにくい

看護師の雇用形態

Community-based integrated care systems2.jpg

看護師の働き方は、雇用形態によっても大きく変わります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った働き方ができる雇用形態を選びましょう。

正社員

正社員は、常勤の看護師を指します。

常勤看護師は雇用が安定しています。社会的な信用度が高いことや、福利厚生・給与面の待遇が恵まれている点がメリットです。デメリットとしては、フルタイム勤務が基本であること、他の雇用形態よりも責任を負う範囲が大きくなるなどが挙げられます。

【メリット】
・雇用が安定している
・福利厚生が手厚い
・給与以外にもボーナスや退職金などがもらえる

【デメリット】
・時間の融通が利かない
・転勤の可能性がある

契約社員

契約社員とは、雇用期間に定めがある契約をする雇用形態を指します。契約1回につき雇用期間の上限は3年です。契約が満了するタイミングで、更新するか終了するかを選べます。

なお、通算5年以上の雇用期間がある場合、正社員契約に切り替えられる「5年ルール」が適用。福利厚生面や収入面で不安定さはありますが、正社員に比べると責任を負う範囲が小さい といったメリットもあります。

【メリット】
・職場環境が合わなくても期間が終われば契約がなくなる
・正社員に比べて責任を負う範囲が小さい

【デメリット】
・雇用先が安定しない
・収入が安定しない
・賞与や退職金はない可能性が高い

派遣社員

派遣社員は、勤務先の病院ではなく派遣会社と契約を結ぶ雇用形態です。実際の業務に関わる指示は派遣先の職場から、給与の支払いや福利厚生のサポートなどは派遣会社から受けます。

1番のメリットは、派遣会社が仲介してくれることで自分に合った職場を選びやすい点です。一方で、雇用先や収入が不安定になりやすいことがデメリットといえます。

【メリット】
・派遣先へのやり取りを派遣会社が仲介してくれる
・職場環境が合わなくても期間が終われば契約がなくなる
・時給で働ける

【デメリット】
・雇用先が安定しない
・収入が安定しない
・賞与や退職金はない可能性が高い

パート・アルバイト

パートやアルバイトは、正社員に比べて短い勤務時間で働ける雇用形態です。勤務日数や勤務時間などが柔軟に選べるうえ、家族の扶養内で働けるため、プライベートと両立しやすいでしょう。

しかし、他の雇用形態に比べると労働時間が短いので、ステップアップの機会は少ない傾向にあります。

【メリット】
・柔軟な働き方ができる
・家族の扶養内で働ける
・時給で働ける

【デメリット】
・雇用先が安定しない
・収入が安定しない
・ステップアップが難しい
・賞与や退職金はない可能性が高い

看護師としての理想の働き方を見つける方法

Community-based integrated care systems2.jpg

看護師として自分に合った働き方を見つけるには、希望する条件を整理することが大切です。ここでは、理想の働き方を見つけるための4ステップを紹介します。

まず優先順位を決める

手に入れられるスキル、給与や待遇、プライベートとの両立のしやすさ、立地など、看護師として働く際に希望する条件に優先順位をつけておきましょう。

看護師には働く場所がたくさんあるので、求人を見ているうちに迷ってしまうかもしれません。条件をすべて満たす職場を見つけるのは難しいかもしれませんが、優先順位をつけておくと、より理想に合った職場を見つけられます。

希望の待遇・給与額を決める

希望条件に優先順位をつけたら、待遇や給与額を明確にしましょう。いくら理想の働き方ができる職場であっても、収入が低すぎると生活できなくなってしまいます。

生活していくために最低限必要な収入額や目指したい収入額について、あらかじめ考えておくようにしましょう。賞与や退職金がほしい場合は、収入が安定している正社員を選ぶのが賢明です。

休日・夜勤・オンコールについて理想の基準を決める

収入だけでなく、休みの頻度や夜勤・オンコールの有無についても、自分が理想とする基準を決めましょう。オンコールとは、緊急時の対応ができるように待機する勤務を指します。

休日や夜勤・オンコールの有無は、働くうえでの満足度に関わる重要な項目です。理想の条件を決めておくと転職後に後悔しにくいでしょう。

転職エージェントに相談する

看護師が働ける職場はたくさんあり、職場の数だけ働き方が存在します。自分で求人を探すのもよいですが、1つずつ希望の条件と照らし合わせていくのはとても大変な作業です。

なるべく早く簡単に転職先を見つけたい人は、転職のプロに相談してみましょう。

看護師の働き方に関するQ&A

看護師の働き方についてよくある質問をまとめました。自分に合った働き方を模索中の方は、ぜひ参考にしてください。

Q.看護師も働き方改革は実施される?

A.看護師にも働き方改革は適応されます。

「働き方改革」とは、働く人がそれぞれの事情に応じ、多様かつ柔軟な働き方を自分で選べるようにする改革です。

日本看護協会は、看護職の働き方改革として次のような施策を推進しています。

・11時間の勤務間インターバルの確保
・夜勤・交替制勤務者の時間外労働の排除
・暴力・ハラスメントに対する組織的対策の推進 など

看護業界においても、看護師が安心して働き続けられる職場環境づくりが進められています。

Q.看護師で高収入を目指すときの働き方は?

A.主に以下の4つが挙げられます。
・夜勤回数を増やす
・上級資格を取得し専門性を活かして働く
・管理職を目指す
・勤続年数を地道に上げる

高収入を目指したい看護師は、上記のように働き方を工夫してスキルアップを目指すといいでしょう。夜勤手当が増えたり、追加の資格や役職によって基本給が増えたりすることで、お給料アップが目指せます。

なお、今すぐ収入を上げたい人は、転職を検討するのもおすすめです。転職をすれば、より早く収入アップができるかもしれません。

Q.看護師が病院以外で働く方法はありますか?

A.主に次のような職場があります。
・企業
・保育園
・医療機器メーカー
・献血ルームなどのセンター
・ツアーナース
・遊園地などの救護室

看護師は、病院以外でもたくさんの場所で働けます。職場によって、勤務時間や業務内容はさまざまです。職場の特徴をしっかり理解したうえで、自分の理想的な働き方ができる職場を見つけましょう。

Q.50 代の看護師におすすめの働き方は?

A.人それぞれですが、体力面を考えるとクリニックや介護施設 などがおすすめです。

体力的な負担が少ない職場を選びたい方は、病院 よりも上記のような職場がおすすめです。

今までの経験を活かして管理職として活躍できるなら、年収アップも期待できるかもしれません。定年後も働きたい場合は、再雇用制度がある職場を選ぶといいでしょう。

Q.看護師で土日休みの働き方は可能?

A.職場によっては可能です。

看護師として土日休みで働きたい場合は、クリニックや 訪問介護ステーション、企業、保育園などを選ぶといいでしょう。

一方で、中規模以上の入院設備のある病院は、土日休みの勤務をするのは難しい傾向にあります。

自分に合った働き方で看護師を続けよう!

看護師が働ける職場は、企業 や保育園、訪問看護ステーションなど 病院以外にもたくさんあります。理想の働き方ができる職場を探す際には、日勤のみ・夜勤のみといった勤務パターンや、正社員・派遣社員などの雇用形態も含めて選ぶのがよいでしょう。

自分で求人を探すのもいいですが、1つずつ希望の条件と照らし合わせていくのは大変な作業です。「ナースステップ」は、看護師に寄り添った丁寧なコンサルティングが魅力。理想の働き方が叶う職場探しをお手伝いします。転職を検討中の看護師の方は、ぜひ活用してみてください。