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パート看護師の平均時給は?正社員との違いや昇給を目指す方法を解説

記事掲載日:2023/05/24

パート看護師の平均時給は?正社員との違いや昇給を目指す方法を解説

看護師の働き方のひとつであるパートタイム勤務。プライベートとの両立を考えてパート勤務を検討する看護師もいますが、時給や月収が気になる方も多いでしょう。今回は、パート看護師の平均時給や正社員看護師との違いを解説します。高時給の職場の特徴や昇給を目指す方法も紹介しますので、参考にしてください。

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パート看護師の平均時給

パート・アルバイトの看護師の平均時給は、1,849円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考にすると、パート看護師の平均時給は1,849円です。

性別にみると、男性看護師の平均時給は1,917円、女性看護師の平均時給は1,847円。男性の方が70円高く、看護師の平均時給には若干の男女差があることがわかります。

全体(男女) 1,849円
男性 1,917円
女性 1,847円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(短時間労働者)のデータをパートとみなし、使用しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

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パート看護師と正社員看護師の時給の違い

パート看護師の平均時給(男女計) 1,849円
正社員看護師の平均時給(男女計)※ 2,457円

※期間の定めなく雇われているかつ短時間労働者ではない看護師の時給換算額
※厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」(一般労働者)のデータを使用し、「(所定内給与額+特別給与額÷12)÷所定内労働時間=時給換算額(小数点以下は切り捨て)」で計算しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

時給に換算した場合は、パート看護師に比べて正社員看護師の方が時給が高い傾向にあります。

パート看護師は、定められた時給金額をもとに勤務した時間分だけ収入が得られる働き方です。一方、正社員の看護師は、毎月の基本給に加えて賞与が支給される場合がほとんどで、職場によっては、資格手当などが発生するケースもあります。

パート看護師と他職種の時給の違い

パート看護師と他職種の時給の違い

パート看護師と他業種の時給の差

看護師 1,849円
全職種平均 1,412円
医師 12,225円
歯科医師 8,133円
薬剤師 2,845円
保健師 2,153円
助産師 2,355円
准看護師 1,543円
診療放射線技師 2,450円
臨床検査技師 2,649円
理学療法士等 2,167円
歯科衛生士 1,703円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(短時間労働者)のデータをパートとみなし、使用しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

看護師の平均時給は、医療関係者の中でみると特別高いわけではありませんが、世間一般と比べると高めです。一般企業で働く方などを含めた平均時給は1,412円であるのに対して、パート看護師の平均時給は1,849円。すべての職種の平均よりも437円高い結果です。

女性のパート看護師と他業種の時給の差

看護師 1,847円
全職種平均 1,312円
+535円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(短時間労働者)のデータをパートとみなし、使用しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

女性のパート看護師の平均時給は1,847円で、全職種の平均時給1,312円から見ると535円高いです。全職種の平均から見て約1.4倍と比較的時給が高い職種、つまり割のよいパートであることがわかります。

男性のパート看護師と他業種の時給の差

看護師 1,917円
全職種平均 1,657円
+260円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(短時間労働者)のデータをパートとみなし、使用しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

男性の場合、パート看護師の平均時給は女性よりも70円高く、1,917円です。男性の全職種平均時給1,657円からみると260円高い結果に。女性の場合のように他職種に比べて特別高い時給というわけではありませんが、それでも平均よりは時給がよい職種といえるでしょう。

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パート看護師の時給に影響する4つの要素

  • 職場の地域
  • 職場の規模
  • 看護師としての経験年数
  • 勤務時間帯
  • パート看護師の時給の決定には、主に上記の5つの要素が影響します。条件が重なれば、高時給を目指せる場合もあるでしょう。5つの要素について以下で詳しく紹介します。

    職場の地域

    一般的に都市部にある医療機関の方が、地方の医療機関に比べて看護師の時給が高い傾向にあります。人口が多い都市部は看護師不足が深刻で、人材確保のために時給を高く設定している場合があるためです。

    また、都市部は一般的に給与水準が高い傾向にあり、パート看護師の場合も同様の傾向があると考えられます。働く地域によって時給が変動するでしょう。

    職場の規模

    職場の規模 時給額
    1,000人以上 1,906円
    100〜999人 1,886円
    10〜99人 1,767円

    ※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(短時間労働者)のデータをパートとみなし、使用しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

    一般的に、規模が大きい医療機関ほどパート看護師の時給額が高い傾向がみられます。診療所やクリニックなどに比べて、診療科がたくさんある総合病院や大学病院で働く方が、高時給の可能性が高いということです。

    大病院であるほど経営母体が大きく、経営が安定傾向にあることが理由のひとつ。また、大病院は高度な治療を行う医療機関であるため、質の高い職員を確保したいことが高時給につながっていると考えられます。

    看護師としての経験年数

    経験年数 時給額
    0年 1,774円
    1〜4年 1,889円
    5〜9年 1,852円
    10〜14年 1,835円
    15年以上 1,850円
    10年以上 1,847円

    ※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(短時間労働者)のデータをパートとみなし、使用しています。調査で使用されている語句の定義については、厚生労働省のサイトでご確認ください。

    パート看護師の時給は、経験年数が上がるごとに高くなる傾向にあります。一般的に経験年数が上がるほど、これまでの経験やスキルが評価されて時給に反映されるためです。

    とくに、経験年数が0年の人と1~4年の人の時給には大きな差があり、看護師の経験年数が重要視されていることがわかります。

    勤務時間帯

    パート看護師の時給は、勤務する時間帯によっても変動します。夜勤をした場合は深夜手当がつくため、日勤のみで働くよりも時給が高く、高収入を得やすいです。

    労働基準法第37条にも、22時~5時の間の労働には、通常勤務の賃金の25%割り増しした賃金を支払わなければいけないことが明記されています。パート看護師で夜勤をする場合、夜間の時給は2,000円程度になると考えられるでしょう。

    パート看護師が高時給で働く4つの方法

    パート看護師が高時給で働く4つの方法

  • 夜勤専従看護師として働く
  • 訪問看護ステーションで働く
  • 過去の経験を活かせる職場で働く
  • パート看護師は、働く時間帯や働く場所を選ぶことで時給をアップできます。自分のライフスタイルに合う方法で、時給アップを目指しましょう。

    夜勤専従看護師として働く

    パートやアルバイトで働く看護師が時給を上げるには、「夜勤専従」という手段があります。夜勤専従とは、夜の勤務帯のみ働くこと。夜勤では基本の時給にプラスして夜勤手当や深夜手当がつくため、日勤よりも高い時給で働くことができます。少ない日数でたくさん稼ぎたい人におすすめの方法です。

    ただし、夜勤専従にはデメリットもあります。昼夜逆転の生活になるため体調を崩しやすく、家族や友人との生活リズムが合わなくなってしまいます。また、夜間は少ない看護師数で働くため、求められるスキルが高く、責任が重くなりがち。夜勤専従をするなら、無理のない範囲から始めることが大切です。

    【こんな人におすすめ!】

  • 少ない勤務日数で安定的に稼ぎたい人
  • 昼夜逆転の生活に抵抗がない人
  • 夜勤専従のパート看護師求人はこちら

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    看護師の働き方を紹介!病院以外の勤務先や土日休みができる職場など

    訪問看護ステーションで働く

    時給を上げたいパートやアルバイトの看護師の方には、訪問看護ステーション勤務もいいでしょう。

    訪問看護の中でも時給が高くなりやすいのは、看護師だけで患者さまの自宅に訪問して健康状態の観察や医療処置を行うケース。看護師1人で幅広く対応することが求められるため、ある程度の看護スキルと経験が必要ですが、その分時給は高くなる傾向です。

    日中のみで土日休みのステーションが多いのも特徴。私生活と両立しやすい働き方で、スキルや経験を活かして時給アップをしたいという看護師の方におすすめです。

    【こんな人におすすめ!】

  • 訪問看護師としての勤務経験がある人
  • 患者さま一人ひとりに寄り添う看護を実践したい人
  • 訪問看護のパート看護師求人はこちら

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    訪問看護師の仕事内容や給料を解説

    過去の経験を活かせる職場で働く

    パート看護師の時給は転職先ごとで決まっていますが、過去の経験が反映されるケースもあります。未経験の診療科よりも経験がある診療科を選んだ方が、過去の経験を考慮した上で時給を決定してもらえる可能性が高いでしょう。

    今まで経験してきた仕事にやりがいを感じていた方、経験がある業務の知識をより高めていきたい方には、この働き方がおすすめです。

    【こんな人におすすめ!】

  • 過去に専門性が高い部署に勤務した経験がある人
  • 過去に経験した分野の専門性をより高めていきたい人
  • パート看護師の時給に関するQ&A

    パート看護師の時給について、よく寄せられる質問をまとめています。パート勤務を検討中の方はぜひ参考にしてください。

    Q.パート看護師が昇給するには?

    A.これまでの経験やより専門的な知識を活かして働ける職場を選ぶようにしましょう。

    今まで培ってきた経験を活かせる職場を選んで働くと、職場によっては経験が考慮され、高時給や昇給を目指せる可能性があります。加えて、職場で活かせる看護師以外の資格を取得するとよいでしょう。

    現在すでにパート看護師として働いていて昇給を希望するのであれば、正社員を目指すのもひとつの方法です。正社員になることで、大幅な給料アップと福利厚生が見込めるため、検討してみましょう。

    Q.パート看護師が高時給の求人を見つけるポイントは?

    A.時給が高めに設定されている種類の職場や、経験や能力を評価してくれる職場を選びましょう。

    高時給の求人を見つけるには、夜勤専従や訪問看護師など、もともとの時給が高い傾向にある求人を探すのがよいでしょう。求人情報に、「経験や能力などを考慮した上で時給を決定する」などと記載されている転職先を選ぶのもおすすめです。

    また、面接時に経験をアピールすることで、これまでの実績が評価され、より高時給を提示してもらえる可能性もあります。

    Q.パート看護師として時給で働くメリット・デメリットは?

    A.パート看護師は仕事とプライベートが両立しやすいメリットがあります。デメリットは収入面やキャリアアップが難しい点などです。

    メリット デメリット
    ・プライベートと両立しやすい
    ・残業が少なめ
    ・正社員に比べて責任が少ない
    ・正社員と比べて収入が少ない
    ・社会保険に加入できない場合がある
    ・キャリアアップが望みにくい

    看護師がパートタイムで働くメリットは、正社員に比べて仕事とプライベートを両立しやすい点です。時給で働くため、時間外労働も少ない傾向にあります。

    デメリットは、正社員看護師に比べて収入が少ないことです。勤務する頻度や時間数によっては社会保険に加入できない場合もあります。また、全体的に責任が少ない仕事を任されやすい傾向にあり、キャリアアップの機会が少ないケースもあるでしょう。

    パート看護師を選択する場合は、メリットとデメリットを両方知っておくことが重要です。

    Q.パート看護師で時給が上がらないときはどうしたらいい?

    A.看護師として別の職場へ転職するのもひとつの手です。

    より専門性を高められる資格を取得したり、夜勤を増やしたり夜勤専従になるなど、働き方を変えてみるのもおすすめです。勤務先を変えたいなら、時給が高い傾向にある職場(規模が大きい・自由診療中心・訪問看護ステーションなど)へ転職を考えるのもいいでしょう。

    自分に合うパート先を選んで、看護師として高時給を目指そう

    パート看護師の時給は、職場がある地域や勤務先の規模、看護師としての経験年数などさまざまな条件で大きく左右されます。自身のこれまでの経験を評価してくれる職場や夜勤のある職場、訪問看護ステーションなどは比較的高時給の傾向に。自身の経験年数や専門領域、プライベートとの兼ね合いも考慮し、看護師としてやりがいを持って働ける職場を見つけることがパート先選びでは重要です。

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    ナースステップには医療業界専任コンサルタントが在籍し、一人ひとりのお悩みに寄り添い看護師さんの転職をサポートします。やりがいを感じながら働けるパート先をお探し中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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