介護施設の看護師が担う役割と仕事内容は?気になる給料や向いている人を紹介

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介護施設の看護師が担う役割と仕事内容は?気になる給料や向いている人を紹介

記事掲載日:2025/07/17

介護施設の看護師が担う役割と仕事内容は?気になる給料や向いている人を紹介

介護施設で働く看護師は、ご入居者さまの健康管理をはじめとして、病院勤務の看護師とは異なる仕事を担っています。本記事では介護施設の看護師が担う役割や仕事内容、メリット・デメリットなどを紹介。また、転職を考えられている方の参考になるよう看護師の1日のスケジュールや、気になる給料の相場についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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介護施設で働くのはこんな看護師におすすめ!

✓ ワークライフバランスを重視したい
✓ 高齢者のケアに興味がある
✓ 高齢者とのコミュニケーションが好き
✓ いろんな職種の人と連携して仕事をしたい

介護施設の勤務は比較的残業が少なく、定時で帰れることが多いです。夜勤がない施設もあり、ワークライフバランスを重視したい人には働きやすい環境と言えるでしょう。

介護施設ではご入居者さまの健康管理のため、コミュニケーションが重要です。そのため、高齢者のケアに興味があり、交流を楽しめる人はとくに向いています。

そのほか、介護施設に配置される看護師は、病院に比べて少人数です。その分、さまざまな職種の人と連携して仕事をする必要があります。多角的な視点を持って仕事をしたい人にもおすすめです。

介護施設の看護師の具体的な仕事内容はこちら

介護施設の看護師のスケジュール例はこちら

介護施設の看護師が果たす役割

介護施設の看護師が果たす役割
  • 介護士と連携しながらご入居者さまのサポートをする
  • ご入居者さまの健康を管理する
  • 医療面でのご入居者さまの状況について医師へ連携をする
  • 介護施設での看護師の主な役割は、ご入居者さまのサポートです。介護士と連携を取りながら身の回りの生活を援助します。

    また、ご入居者さまの健康管理も重要な役割です。介護施設は医師が常駐していない場合がほとんどであるため、医療行為等は看護師に任せられています。体調を観察しながら、必要に応じて医師へ報告するなどの連携が必要です。緊急時には、看護師が重要な判断をしなければならないこともあるため、アセスメント力や迅速な判断力が求められます。

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    介護施設の看護師の具体的な仕事内容

    介護施設の看護師の仕事内容は、主に上記の3つに分けられます。それぞれの具体的な内容については、以下で詳しく紹介します。

    健康管理・療養に関わる業務

  • 体温、血圧などのバイタルサイン測定
  • 療養指導
  • 爪切り
  • 口腔ケア
  • ガーゼ交換、軟膏塗布
  • 軽微なケガの処置
  • ご入居者さまの健康管理・療養に関する業務は上記の通りです。容態が安定しているご入居者さまがほとんどですが、高齢のため、多くの方が持病を持っています普段から様子を観察し、異常を早期発見できるようにしておくことが大切です。

    また、爪切りや口腔ケア、歯磨きなど身の回りのケアを援助することも健康管理の一つです。ガーゼ交換や軟膏塗布なども看護師が介助します。

    投薬や点滴などの医療行為

  • 配薬、服薬管理
  • 点滴
  • 血糖測定、インスリン投与
  • 吸引
  • 採血
  • 褥瘡の処置
  • 経管栄養、胃ろうの管理
  • 介護施設では、医師の指示を受けて看護師が医療行為を実施します。介護施設でよく行う医療行為には、ご入居者さまが確実に服薬できるように支援する配薬および内服の管理をはじめ、点滴、インスリン注射や痰の吸引、褥瘡の処置、経管栄養などがあります。

    病院との大きな違いは、高度な医療行為がないことです。基本的な看護技術で対応できるものが多いでしょう。

    その他の業務

  • 施設内の感染症対策に関わる業務
  • 転倒防止など施設内の安全対策に関わる業務
  • お看取り、ターミナルケア
  • 他職種との連携
  • ご家族への対応
  • 訪問診療時の診察介助
  • 施設内での感染症蔓延を防ぐため、感染対策のマニュアル作成とその対応を行います。加えて、ご入居者さまの転倒や転落などの事故を防ぎ、より安全に生活できるような対策を実施することも大切な業務の一つです。

    また、お看取りやターミナルケアの際には、ご家族や他の職種と連携を行い、看護師が中心となって対応を進めます。他職種との連携では、職種ごとの役割分担をしながら、看護師の専門的な視点からサポートすることが大切です。

    介護施設の看護師のスケジュール例

    9:00 出勤、申し送り、情報収集
    9:30 巡回、バイタルサイン測定
    10:00 ケア、医療処置
    11:00 入浴前後の処置
    11:30 配薬準備
    12:00 食事介助
    13:00 休憩
    14:00 レクリエーション、ご入居者さまとの交流
    15:00 バイタルサイン測定、カンファレンス
    16:00 看護記録の作成、物品補充など
    17:00 申し送り、食事介助のサポートなど
    17:30 退勤

    上記は、介護施設に勤務する看護師のスケジュール例です。働く施設によって、勤務開始時間やシフトが異なります

    午前中は、主にご入居者さまの健康状態の確認や医療処置、入浴前後の処置(軟膏処置やガーゼ交換など)が中心です。お昼は食事介助や見守り、午後はレクリエーションやご入居者さまとの交流、看護記録の作成などを行います。

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    介護施設の主な種類

    介護施設の主な種類
    名称 特徴
    特別養護老人ホーム 要介護3以上の高齢者が対象
    医師は常駐していない
    ほとんどの場合、看護師は夜間オンコール対応を行う
    介護老人保健施設 退院後すぐの高齢者がリハビリ目的で入院
    医師・看護師が常駐で夜勤あり
    有料老人ホーム 「住居型」「介護付き」「健康型」の3種類がある
    60歳または65歳以上を対象とする施設が多い
    デイサービス 日中のみの通所型
    比較的介護度が低い方が利用
    サービス付き高齢者向け住宅 身の回りのことが自分でできる人が主に利用
    介護医療院(介護療養型医療施設) 要介護高齢者の長期療養・生活が目的
    その他 ・グループホーム
    ・養護老人ホーム
    ・経費老人ホーム など

    介護施設は、介護が必要になった高齢者が通所したり、居住したりする施設で、さまざまな種類があります。

    特別養護老人ホーム

    特別養護老人ホームとは、原則、要介護3以上の高齢者(65歳以上)が居住する施設です。看護師は食事・入浴・排せつ介助・洗濯など日常生活を送るための介護サポートがメインとなります。また、医師が常駐していないため、緊急時には看護師が対応する必要があります。

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    介護老人保健施設

    介護老人保健施設は、退院後すぐに自宅での生活が難しい高齢者が在宅復帰を目指すための居住施設です。入居期間は原則3カ月から6カ月で、医師と看護師の常駐を義務づけています。そのため、看護師が介護老人保健施設で働く場合には、夜勤があります

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    有料老人ホーム

    有料老人ホームは、厳密な年齢制限がありません。施設によって、60歳以上・65歳以上と入居条件が異なります。サービス付き高齢者向け住宅と同じく高齢者が生活するための施設です。

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    デイサービス

    デイサービスは、比較的介護度が低い高齢者が自宅から通所して、リハビリテーションや生活補助を受ける施設です。看護師を含め働くスタッフが少ないため、看護業務に加えてリクリエーションや介護業務を行うことも多くなります。

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    デイサービスの看護師が担う役割は?必要なスキルや転職成功のポイント

    サービス付き高齢者向け住宅

    サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上であれば入居できる施設です。60歳未満でも、要介護や要支援認定を受けていれば入居することができ、多くの施設が賃貸借契約となっています。バリアフリー対応となっており、常駐する介護や医療スタッフが安否確認や生活相談を行っています

    介護医療院(介護療養型医療施設)

    介護医療院は、介護を必要とする高齢者に対して、長期間の療養や生活を提供する施設です。日常生活の介助も医療も必要とする要介護の高齢者が入居しています。

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    看護師が介護施設で働くメリット・デメリット

    メリット ・ご入居者さまにじっくり寄り添うケアができる
    ・病院に比べて医療行為が少ない
    ・プライベートを充実させやすい
    ・夜勤や残業を行うケースが少ない
    デメリット ・求人数が少なく競争率が高い
    ・看護スキルを磨くことが難しい
    ・看護師が少なく多職種との連携が不可欠
    ・収入が下がるケースもある

    看護師が介護施設で働くメリットとデメリットには、上記の表のようなものがあります。以下で詳しく解説します。

    看護師が介護施設で働くメリット・やりがい

  • ご入居者さまにじっくり寄り添うケアができる
  • 病院に比べて医療行為が少ない
  • プライベートを充実させやすい
  • 夜勤や残業を行うケースが少ない
  • 介護施設は、病院勤務に比べて高度な医療行為が少なめです。そのため、看護師は一人ひとりのご入居者さまとじっくり時間をかけて向き合いやすいという特徴があります。時間的・精神的な余裕を持ちながら、ご入居者さまに寄り添った看護を提供したいと考えている看護師にとって、大きなやりがいにつながるでしょう。

    また、介護施設は夜勤や残業も少ないため、プライベートを充実させやすい職場といえます。生活と仕事のバランスをとりながら働きやすいでしょう。

    大変なことも?看護師が介護施設で働くデメリット

  • 求人数が少なく競争率が高い
  • 看護スキルを磨くことが難しい
  • 看護師が少なく多職種との連携が不可欠
  • 収入が下がるケースもある
  • 介護施設のデメリットとしては、病院に比べて求人が少なく倍率が高いことが挙げられます。希望する施設の求人がなかなか出ないことや、求人があっても応募者数が多く難しいケースもあるでしょう。

    また、介護施設では医療行為が少ない分、看護スキルを高める機会も少なく、スキルアップを目指す人には不向きです。勤務する看護師の人数が少ないため、急変時やトラブル対応など、自分一人に判断を委ねられるケースもあることも心得ておきましょう。

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    介護施設で働く看護師の平均給料は?

    常勤 非常勤
    平均給与額 384,620円 220,800円

    出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(介護従事者等の平均給与額等(月給の者),職種別,勤務形態別(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所))」

    厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護施設に勤務する看護師の平均給与額は、常勤の場合で月収384,620円、非常勤の場合で月収220,800円でした。

    令和6年度は介護職員等処遇改善加算の影響があり、給料は前年度に比べ、月収にして1万円近く上昇しています。常勤の場合、年収にすると約461万円です。

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    介護施設に勤務する看護師の主な仕事は、ご入居者さまの健康管理です。基本的に容態が安定している方が多く、医療行為も少なめであるため、ワークライフバランスを重視する方に向いているでしょう。ただし、倍率が高いため、介護施設への転職をご検討中の方は転職支援サービスを利用するのがおすすめです。

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