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デイサービスで働く看護師の仕事内容とは?役割や給与事情を解説

記事掲載日:2020/08/26

デイサービスで働く看護師の仕事内容とは?役割や給与事情を解説

働く場や働き方が多様化してきた看護師の仕事。医療機関よりも身体的、そして精神的な負担を減らして働けるのが、デイサービスです。子育て中の看護師や、子育てがひと段落して社会復帰をしたい看護師などに人気の職場となっています。

デイサービスで働く看護師の仕事内容は、具体的にどのようなものなのでしょうか。仕事内容や役割、給与事情などメリットやデメリットもあわせて知っておくことで、転職活動の際の検討材料にしてください。

デイサービスとは?看護師の仕事内容と役割

デイサービス(通所介護)は、介護保険法に規定されている介護サービスのひとつで、日帰りで施設に訪問します。デイサービスは、特別養護老人ホームなどを運営している社会福祉法人、医療法人、民間の企業などが運営しています。

高齢者の方は送迎車で通所し、レクリエーションやスポーツ、食事、入浴、リハビリなどの各種プログラムが提供され、心身機能の維持向上や他者との交流、孤立感の解消などを目的としています。要介護1~5までの人が利用でき、要支援の方は利用できません。近年では施設ごとにサービスに様々な特色を持つようになっています。

デイサービスとデイケアの違い

デイサービスと同じ通所介護サービスにデイケア(通所リハビリテーション)があります。デイケアは、医療機関や介護老人保険施設で提供されるサービスです。デイサービスと異なり、要支援の方も利用できますが、医師が専門的なリハビリが必要と判断された場合のみ利用できます。

デイサービスが日常生活の自立を促す介護が中心になっているのに比べ、デイケアは身体機能の回復など医療的なケアが中心です。また施設の人員基準にも違いがあります。デイケアとは異なり、デイサービスは医師が常勤していません。

そのほかのデイサービスの種類

デイケアの他にも目的や利用者によって、特徴は様々です。代表的なデイサービスの種類を紹介します。デイサービスへの転職をご検討の方は、施設によって仕事内容や役割が変わるので、施設の特徴を抑えておくと良いでしょう。

認知症対応型デイサービス

認知症の方のみを対象としたデイサービスです。認知症の方への対応や専門的な知識を得ることができます。

機能訓練特化型デイサービス

デイケアのサービスに近いですが、通常のデイサービスと比較すると理学療養士、作業療養士などの専門職が在籍していることが多く、リハビリに特化した内容となっています。

療養型デイサービス

がんの末期患者など常時医療ケアが必要となる方に向けたデイサービスです。

デイサービスの看護師の主な役割

デイサービスには医師が常勤していませんので、看護師は医療的な観点から利用者の健康状態の確認を行う重要な役割となります。生活面の基本的なサポートは介護職員が担います。デイサービスで働く看護師の具体的な仕事内容を解説します。

利用者の健康管理業務全般

メイン業務となるのが、利用者の健康管理全般です。利用者のバイタルチェック、入浴後の軟膏や湿布などの処置、昼食前後の投薬や服薬管理などを行います。またインフルエンザやノロウイルスなど流行性疾患にも予防することも非常に重要です。

ケガや急変時には、初期対応と、状況に応じて医療機関への付き添いなども行わなければいけません。

医療補助行為

デイサービスは病院ではなく、医師も常駐していないため、医療行為を行うことはできません。看護師は、利用者の担当医師からの指導・指示を受けて、医療補助行為を行います。代表的な医療補助行為は、インシュリン注射や胃ろう管理などです。医療行為ではない検温・血圧の測定、軽度な傷の処置なども行います。

介護職員のサポート業務

デイサービスセンターでは、介護職員が利用者の食事や入浴、排泄、着替えなどのさまざまな介助を行っています。基本的に介護業務は介護職員が行うことになっていますが、看護師も必要に応じてサポートをするのが一般的です。施設によっては、利用者送迎の付き添いもお願いされることがあるでしょう。

デイサービスの看護師として働くメリット

医療機関で働く看護師と比べて、デイサービスで働くメリットはどこにあるのでしょうか。主なメリットを2つ見ていきましょう。

基本的に日勤のみ

まずは、基本的に日勤のみであることです。入院設備がある医療機関では、日勤のほかに、遅番や夜勤などもあります。不規則なシフト勤務となるため、生活リズムの乱れを悩みの種に挙げる看護師も少なくありません。

デイサービスは、日中のみオープンしているので、看護師も日勤がほとんどです。規則正しい生活を送りたい人にぴったりといえます。また、土日を休みとしている施設も多いため、プライベートの時間も大切にできます。

病院勤務と比べて、精神的負担が少ない

2つ目のメリットは、病院勤務と比べて、精神的負担が少ないことです。利用者のほとんどは基礎疾患があったとしても、大きな治療を要することはありません。看護師に求められるのは健康管理が主なため、医療ミスなどの精神的な負担は少なくて済みます。

また、比較的のんびりと時間が流れているので、あくせく働く必要がありません。利用者とゆっくりコミュニケーションをとることもできます。

デイサービスの看護師として働く際の注意点

続いて、デイサービスの看護師として働く際の注意点について解説します。

給料が低めであることが多い

医療機関勤務の看護師と比べると、ワークライフバランスは実現できますが、給料は低めとなることが多いです。これは、夜勤手当がなくなることなどが原因です。

施設によって仕事内容も変わる

前述しましたが、デイサービスも施設によって特徴が異なるので、理想とする働き方とギャップが生まれる可能性があります。事前に施設の特徴や働き方を調べておきましょう。

看護師のスキルアップが難しい

デイサービスは高齢者ケアのスキルや知識を得ることができますが、医療行為を行わないため、看護師としてのスキルアップが難しい一面があります。

採用枠が限定的である

小規模デイサービスは、地域密着型となり利用者の人数も限られています。看護師の入れ替わりも多くないため、採用枠は限られています。デイサービスへの転職を検討している方は、中長期の視点で、求人なども随時チェックすると良いでしょう。

デイサービス勤務が向いているのはこんな看護師!

上記で紹介したメリットや注意点などを踏まえて、デイサービス勤務が向いている看護師を紹介します。

高齢者とコミュニケーションをとるのが好き

まずは、高齢者とコミュニケーションをとるのが好きな人です。デイサービスは、利用者が楽しめる場所を作ることが目的のひとつなので、高齢者とのコミュニケーションは必須です。
高齢者と話をしたり、喜ばせたりするのが好きな人に向いているといえるでしょう。

観察力・洞察力に優れている

観察力や洞察力に優れている人もぴったりです。デイサービスでは、医療ケアを看護師が担当するため、利用者の健康に関する気付きは非常に重要です。

些細な変化に気が付くことができる観察力や洞察力があれば、健康に配慮をしてサービス提供ができるようになるでしょう。

プライベートを充実させたい、ライフステージに変化がある方

デイサービスは基本的に日勤業務となり、土日を休みとしている施設が多いため、自分の時間をしっかり確保できます。またライスステージに変化があり、夜勤の対応が厳しいなどのケースでもデイサービスだと規則正しいライフサイクルを実現できます。

ブランクがある方

何かしらの理由でブランクがあり、本格的な復職に不安がある方もデイサービスでしたら医療行為がないため、比較的負担が少なく復職が可能です。

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デイサービスで働く看護師の給料事情

続いて、デイサービスで働く看護師の給料事情を見ていきましょう。

ナースステップで東京都のデイサービス看護師の求人を調査したところ、月給は22~24万円ほど、年収換算で260~310万円ほどが相場でした。夜勤がない分、どうしても医療機関看護師よりも給料は低くなりがちですが、働きやすさなどにおいて、メリットはたくさんあります。

まとめ

デイサービスで働く看護師の主な業務は、利用者の健康管理全般と、介護職員のサポート業務です。

日勤がメインであること、そして病院勤務よりも精神的に余裕を持って勤務できるのは、大きなメリットですね。プライベートも大切にしたい人にオススメの転職先といえるでしょう。