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病院で働く看護師の仕事内容とは?病院の種類とメリット・デメリットを解説

記事掲載日:2020/08/27

病院で働く看護師の仕事内容とは?病院の種類とメリット・デメリットを解説

「転職したいけれど、どの医療施設で働くのがいいのか分からない」と悩んでいませんか?この記事では、病院勤務の特徴や看護師に求められる役割、具体的な業務内容やメリット・デメリットを紹介します。病院看護師として働きたい人、病院看護師に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

そもそも「病院」とは?

「病院」とはどのような施設のことなのでしょうか?病院の定義や主な種類についてご説明します。

病院の定義

病院は入院できるベッドの数が20床以上あるの医療機関のことで医療機関の名称に「病院」をつけることができます。ベッド数が病床数19以下の医療機関は「診療所」と呼ばれ、医療機関の名称に「病院」をつけることはできず「医院」や「クリニック」を使用している診療所が多いようです。

平成30年の厚生労働省による「医療施設動態調査」によると、病院の数は8,389施設で、診療所の数は101,860施設となっており、病院よりも診療所の数の方が多いのが現状です。

病院の主な種類

病院は、公的組織、医療法人、学校法人、社会福祉法人などの非営利組織しか設立することができません。
こちらでは、病院の主な種類をご紹介します。

一般病院

一般病院は、公益法人、医療法人、社会福祉法人などによって設立されます。

国立病院

国立病院は厚生労働省、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康福祉機構などによって設立されます。国立病院で働く看護師は準公務員として働くことになります。準公務員とは、「もともと国が管轄していたけれど、今は法人化された医療施設で働いている人」のことを指します。公務員とほぼ同じ待遇で働くことができるのが特徴です。

公立・公的・社会保険関係法人の病院

公立・公的・社会保険関係法人の病院は、都道府県、市町村、地方独立行政法人、日本赤十字社、済生会、国民健康保険団体連合会などによって設立されます。都道府県や市町村などの地方自治体が管轄する病院で働く看護師は地方公務員、地方独立行政法人が運営する病院で働く看護師は準公務員として働くことになります。

大学病院

大学病院は、国立大学、公立大学、私立大学によって設立されます。国立大学と公立大学で働く看護師は、準公務員として働くことになります。

病院で働く看護師の仕事内容

病院で働く看護師の役割は、医師の診療を補助し、患者さんの心身のサポートだけでなく、患者さんの家族のサポートも含まれます。具体的な仕事内容には、血圧・体温・脈拍の測定、点滴・注射・採血、食事・排泄・入浴介助、体位交換、手術補助、夜間巡回、患者さんの移送、カルテ記載などがあります。

外来看護師は病院で診察を受ける患者さんの診療補助が主な仕事となり、病棟看護師は、入院中の患者さんに対する心身のケアや身の回りの介助を行うのが主な仕事となります。また、オペ室看護師は手術中に器械を渡したり、投薬をしたりするなど、手術介助をするのが仕事です。

病床数が200以上の規模の大きい病院では業務が細分化されていますが、小規模病院では1人の看護師が幅広い業務を担当する必要があります。

病院勤務のメリットとデメリット

病院勤務のメリットとデメリットはどのようなものでしょうか?

メリット

病院で働くメリットをご紹介します。

看護スキルを磨くことができる

病院では勉強会や研修が行われるため、看護スキルや知識を磨くことができます。特に国公立病院や大学病院など規模が大きい病院では、最新の器具や設備を使うことが可能で、高い技術をもつ医師が働いているため、最先端のスキルを身につけることができます。診療科の多い病院であれば、さまざまな診療科を経験することができますし、小規模な病院では幅広いスキルと知識を得ることができます。

公務員(準公務員)看護師は休日が取りやすい

都道府県や市町村など地方自治体が管轄する病院の看護師は地方公務員、国公立大学で働く看護師は準公務員として働くことができるため、しっかりと休日を取ることができます。また、産休・育休制度も整っており、院内に託児所や保育園が完備されている病院もあるので長く働きやすい環境です。

給与が高め

病院は夜勤があるため、夜勤手当が出る分日勤のみのクリニックよりも給与が高めです。また、賞与もしっかりともらえるケースが多いため、運営状況によって給与や賞与が少ない場合もあるクリニックで働くよりは年収が高くなる傾向にあります。

デメリット

病院で働くデメリットをご紹介します。

不規則な就業時間

病院は入院設備があるため、必ず夜勤があります。日勤と夜勤が混ざり合った勤務形態は生活リズムを整えることが難しく、心身の不調が出やすくなるケースが多いです。また、必ず夜勤がある勤務形態では、子育て中や家族の介護中の人は働きにくいため、家庭の事情で夜勤が難しい場合には日勤のみで働くことができるクリニックがおすすめです。

勉強したい診療科で勤務できない可能性がある

病院の規模が大きくなるほど業務は細分化され、勤務する診療科に特化した業務をすることになります。自分が勉強したい診療科に必ずしも配置されるとは限らないため、「この診療科の勉強をしたい」、「この分野のスペシャリストになりたい」という場合には、勉強したい診療科に特化した病院やクリニックで働くのがおすすめです。診療科の多い病院ではずっと同じ診療科を担当するということはなく、スキルが偏らないように一定期間が経過するとローテーションで配置がかわるため、希望の診療科への異動を待つ方法もあります。

病院勤務はこんな人におすすめ!

病院は夜勤あるため生活リズムを整えるのは難しいですが、研修や勉強会が行われるため、スキルアップしたい人におすすめです。大学病院や国公立大学病院では最先端の医療を体験することも可能で、常に最前線で働きたいという人にはぴったりでしょう。また、収入や福利厚生がしっかりしている病院が多いので、良い待遇の職場で働きたい人は病院勤務が向いています。

まとめ

病院の特徴、仕事内容、メリット・デメリットをご説明しました。

病院の規模が大きいと業務が細分化されていますが、規模が小さい病院では「いろいろなことができる」ことが求められます。病院勤務でスキルアップを考えている場合には、給料や福利厚生だけでなく、「自分が勉強したい分野にかかわれるか」、「しっかりスキルアップできるか」なども確認し、転職で後悔のないようにしましょう。