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看護師のキャリアアップ方法は?職種の選択肢や取得すべき資格を紹介!

記事掲載日:2023/06/28

看護師のキャリアアップ方法は?職種の選択肢や取得すべき資格を紹介!

「看護師のキャリアアップにはどんな道があるのだろう?」と考える看護師の方も多いのではないでしょうか?キャリアアップを目指すことで、自分自身のスキル向上や収入アップにもつながります。今回は、看護師のキャリアアップについて、職種の選択肢や取得すべき資格について詳しく紹介します。

看護師のキャリアの先には何がある?

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・特定の看護分野の専門性を高める
・幅広く対応できる看護師になる
・看護師の管理職に就く
・看護の経験を活かし、学校の先生や一般企業の従業員になる
・国際的に活躍する看護師になる

看護師におけるキャリアアップは、「特定の看護分野の専門性を高める」、「幅広く対応できる看護師になる」、「看護師の管理職になる」の主に3つです。

キャリアアップを目指すことで業務の幅が広がりますが、いずれの選択肢でも看護師としての専門性の高さや他の看護師をまとめる管理能力などが問われます。

看護師のキャリアアップ方法はこちら

看護師がなりたいキャリアを叶える手順

・将来なりたい看護師像を考える
・キャリアプランを立てる
・キャリアアップに必要な行動を起こす

キャリアアップを目指す方は、まず、自分がなりたい看護師の姿を明確にイメージしましょう。次に、将来像に合わせてキャリアプランを作成し、目標に向かって進むための具体的なステップを考えます。最後に、キャリアプランを実践するために必要な行動を実行します。

専門的な知識や看護技術を高めるためには、勉強はもちろん、現場で経験を積んだり、新たな資格を取得したりすることも必要です。

キャリアプラン・キャリアパスの意味はこちら

看護師の主なキャリアアップ方法

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看護師のキャリアアップには下記のような方法があります。

・特定の看護分野の専門性を高める(スペシャリストになる)
・幅広く対応できる看護師になる(ジェネラリストになる)
・看護師の管理職に就く(マネージャーになる)
・看護の経験を活かし、学校の先生や一般企業の従業員になる
・国際的に活躍する看護師になる

ここでは、それぞれのキャリアアップ方法についての概要や過程を詳しく解説していきます。

特定の看護分野の専門性を高める(スペシャリストになる)

【スペシャリストを目指すのはこんな人におすすめ!】
特定分野の看護について専門性を高めたい方

キャリアアップの1つ目の選択肢は、特定の分野について深い知識やスキルをもつ看護のスペシャリストになることです。具体的には、専門看護師や認定看護師が該当するでしょう。専門看護師や認定看護師になるためには、特定の資格が必要です。

【スペシャリストの看護師例】
・専門看護師を目指す
・認定看護師を目指す

専門看護師を目指す

専門看護師とは、専門分野の知識や技術を保有していると認められた看護師のことです。

特定の分野で「看護の実践・看護の相談・看護に携わる人の調整・倫理問題の解決・看護ケア向上の教育・看護実践の場での研究活動」を行うことが役割で、施設全体や地域の看護の質向上に努めます。専門看護師の分野は下記の通りです。

専門看護分野
がん看護・精神看護・地域看護・老人看護・小児看護・母性看護・慢性疾患看護・急性/重症患者看護・感染症看護・家族支援・在宅看護・遺伝看護・災害看護・放射線看護

【専門看護師になるには ?】

1.看護師免許を取得する
2.大学院修士課程を修了するor通算5年以上の実務研修を有する※
3.認定審査に合格する

※このうち3年は「専門看護分野の実務研修」である必要がある

専門看護師になるには大学院で所定の単位を取得するか、通算5年以上の実務研修が必要です。その後、認定審査に合格すると専門看護師となります。ただし、5年ごとに更新が必要であり、常にスキルアップに取り組む姿勢が求められます。

認定看護師を目指す

認定看護師とは、特定の分野において、熟練の看護技術や知識を持っていると認められた看護師のこと。患者さまに高度なケアを提供することはもちろん、他の看護師の指導や相談、ほかの医療関係者と協力する時の調整役も担います。

認定看護にはさまざまな分野がありますが、現行の看護分野は2026年をもって教育が終了し、新たな認定看護分野は2020年度から教育が開始されました。

認定看護 分野一(2020年度〜)
感染管理・がん放射線療法看護・がん薬物療法看護・緩和ケア・クリティカルケア・呼吸器疾患看護・在宅ケア・手術看護・小児プライマリケア・新生児集中ケア・心不全看護・腎不全看護・生殖看護・摂食嚥下障害看護・糖尿病看護・乳がん看護・認知症看護・脳卒中看護・皮膚/排泄ケア

【認定看護師になるには?】

1.看護師免許を取得する
2.通算5年以上の実務研修を有する※
3.所定の教育機関に入学・課程を修了する
4.認定看護師認定審査に合格する

※このうち3年は「認定看護分野の実務研修」である必要がある

認定看護師になるには、通算5年以上の実務研修を受けたうえで所定の教育機関に通い学ぶ必要があります。教育機関には看護師専門学校や大学があり、それぞれの課程を修了し、審査に合格することで認定看護師に認定されます。

更新が5年ごとに必要であり、常に最新の知識と技術に精通することが求められます。

幅広く対応できる看護師になる(ジェネラリストになる)

【ジェネラリストを目指すのはこんな人におすすめ!】
幅広い分野でレベルの高い看護を提供できる看護師になりたい人

看護師のキャリアアップの選択肢として、ジェネラリストになる方法もあります。

ジェネラリストとは、現場に応じて知識・技術・能力を発揮できる看護師のことを指します。ひとつの分野や領域、働く形態にとらわれないため、幅広い分野で活躍できるのが特長です。「ジェネラリスト」にあたる職種があるわけではないため、特定の資格はありません。

ジェネラリストは、最善の看護を提供するために、常に知識・技術・態度を向上させ、根拠に基づく看護を行うことが求められます。

看護師の管理職に就く(マネージャーになる)

【マネジメント職を目指すのはこんな人におすすめ!】
看護師をまとめる立場になりたい人

看護師としてキャリアアップするには、管理職になるという選択肢もあります。看護師の場合は、看護部長や看護師長、看護主任といった役職が管理職に該当します。

看護管理職には、質の高い看護を提供できるよう組織を管理する力や、危機管理能力、新しいことに挑戦する力などが求められます。また、質の高い看護を提供するために、スタッフの教育や指導、業務改善の推進なども大切な役割です。

看護部長

看護部長は、看護部のトップとして看護師全体のマネジメントを担当する役割を担います。最近では、看護部長と副院長を兼任するケースが増えており、幅広い視野と経験が必要です。

医師や他の職種と協力して良質な医療を提供する体制を整えることも、看護部長の大事な役割といえます。

看護師長

看護師長は、病棟における看護師のリーダー的存在です。日々の業務や看護の質の向上、患者さまのニーズに合わせた看護の提供など、多岐にわたる業務を担当します。また、スタッフの教育や指導、業務改善の推進なども、看護師長の大切な役割の一つです。

看護主任

看護主任は、看護業務全般の管理を行い、看護師長の補佐をする役割を担います。現場で働き現場のことをよく把握している管理職であるため、看護師長とスタッフの間を取り持つことも必要です。看護師長とともに、業務改善や看護の質の向上に取り組み、スタッフの教育や指導なども担当します。

看護の経験を活かし、学校の先生や一般企業の従業員になる

看護師がキャリアアップする方法の一つとして、看護教員や一般企業の従業員になる方法もあります。看護教員は、学校で看護師を目指す人に対して技術や知識を教える仕事であり、看護師として働いてきた経験を活かせる仕事です。

一般企業の従業員としてのキャリアアップは難易度が比較的高くなりますが、医療系の職種であればこれまでの経験を活かしやすいでしょう。

国際的に活躍する看護師になる

看護師のキャリアアップ方法として、国際的に活躍する看護師を目指すのも一つです。海外移住や、海外ボランティアに所属などすれば、国際的な活躍を目指せるでしょう。

基本的に海外で活動する看護師に特別な資格は必要ありませんが、英語などのコミュニケーションスキルは必要です。国際的に活躍することで、異文化理解が深まり人間性の向上にもつながります。

国際看護師について解説した記事はこちら

看護師がキャリアアップするためにやるべきこと

看護師が理想のキャリアアップをするためには、早いうちから計画を立てて行動していくことが大切です。やるべきことは大きく分けて以下の4つ。

・情報を集める
・必要な領域を学ぶ
・研修やセミナーに参加する
・資格を取得する

ここでは、それぞれについて看護師説明します。

情報を集める

まずは、自分が目指す先をイメージして、どのようにキャリアアップしていくかを考えることが大切です。必要なスキル・知識・資格などを調べてキャリアプランを策定しましょう。看護師の職場は多種多様であるため、情報収集を怠るとキャリアアップの機会を逃してしまうことになります。

キャリアプランが確立していない場合でも、情報収集は重要です。

必要な領域を学ぶ

キャリアアップに必要な情報が見えてきたら、必要な知識やスキルを習得できるように学習を始めましょう。学習といっても、知識を増やすことはもちろん、学んだことを現場で実践することも大切です。

自己学習の方法としては、e-ラーニングをしたり、自分で学習記録をつけたりするのがおすすめ。自分の好きな時間に学習できるので、仕事の合間に行うことができます。

キャリアアップのために必要な知識やスキルをつけることで、より成長した看護師として活躍できるでしょう。

研修やセミナーに参加する

看護師のキャリアアップには、研修やセミナーへの参加もおすすめです。独学では得られない知識や経験を得ることができ、選択肢を広げられます。セミナー参加を通じて、自分のキャリアプランの改善や足りないスキル・知識を補うことができるでしょう。

キャリアアップにつながる研修はこちら

資格を取得する

看護師のキャリアアップには、資格取得が効果的です。資格は自分のスキルを示してくれるものであり強みにもなります。キャリアアップに必要な資格はもちろんですが、必須でなくても役立つ資格もあるので、目的に合わせて取得するようにしましょう。

看護師のキャリアアップにつながる研修・資格

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おすすめの研修

・特定行為研修
・病院ごとに開かれる研修

特定行為研修

看護師が特定の行為を行う場合に必要な実践的理解力や、高度かつ専門的な技能の向上などを図るために受ける研修を、特定行為研修といいます。特定行為研修を受講することで、看護師は特定の処置を行えるように。具体的な研修内容は、人工呼吸器の取り扱いや、胃ろうの管理などです。

病院ごとに開かれる研修

看護師が所属する病院によっては、独自に研修会や勉強会が開かれることがあります。開催有無や内容は施設ごとに異なりますが、参加することで看護師としての知識を深めたり、学び直したりすることが可能です。

病院の研修は、最新の情報や技術を習得する良い機会でもあります。

おすすめの資格

・保健師
・助産師
・ケアマネージャー

認定看護師や専門看護師のほかにも、キャリアアップにつながる資格はあります。新たな資格を取得すると、スキルが高まるだけでなく将来的なキャリアアップにも役立つでしょう。ここでは、3つの資格について紹介します。

保健師

保健師は、すべての地域住民の保健指導や健康管理などを行う役割を持ちます。これから病気になりそうな人に予防方法を指導したり、健康な人が健康でいられるように支援したりするのが特徴です。

働く場所は、地域の行政機関(保健所や役所・役場)、企業、小中学校など。企業で働く保健師は社員のメンタルヘルス対策をおこなったり、保健指導をおこなったりします。

保健師になるには、指定の学校で1年以上必要な学科を修めてから、保健師国家試験に合格する必要があります。

助産師

助産師は、女性の人生を支える専門家です。出産の介助や妊婦から産後までの母子の保健指導、育児指導、性教育などを行います。助産師になるには、指定の学校で1年以上必要な学科を修めてから、助産師国家試験に合格する必要があります。

ケアマネージャー

ケアマネージャーとは、介護を必要とする人の個別ニーズに応じたサービスを提供するための分析や、介護サービス計画書の作成をする仕事。介護の視点を持つことで、アセスメント能力の向上や退院支援の幅が広がるため、医療の知識のみならず、介護・福祉の専門性を高めたい場合におすすめです。

看護師のスキルアップやキャリアに役立つ資格はこちらの記事をチェック

看護師のキャリアアップに関するQ&A

看護師にはさまざまなキャリアアップ方法があります。ここでは、看護師のキャリアアップについてよくある質問をまとめています。

Q.キャリアプラン・キャリアパスの意味は?

A.キャリアプランとは「自分で考える職業人生の計画」のこと。キャリアパスとは、主に「会社側が従業員に対して提示するキャリアのステップ」のことです。

キャリアプランは、自分(看護師)が将来どのような仕事をしたいのか、そのために何が必要なのかを考えることです。自分の理想像と不足しているスキルや知識を把握して、プランを立てます。

一方、キャリアパスは、病院などの雇用者が提示するその組織内での従業員(看護師)のキャリアの道筋のことです。

Q.看護師がキャリアアップする利点は?

A.看護の幅が広がったり、収入が増えたりすることといえます。

看護師のキャリアアップをすると、業務の幅が広がったり、資格や役職手当で収入が上がったりします。また、高い役職や専門職に就いていた場合、転職時にアピール可能です。

また、スキルや資格を取得することで、自信を持って業務に取り組めるようになることもメリットと言えるでしょう。

Q.「看護師の主なキャリアアップ方法」以外のキャリアにはどんなものがある?

A.介護施設や訪問看護師などの選択肢もあります。

介護施設での勤務や訪問看護も、看護師のキャリアアップの選択肢としてあげられるでしょう。

介護施設の看護師は、介護士と協力して入居者の健康管理や医療行為のサポートを行います。訪問看護師は、自宅療養中の患者さまに対して、医療処置や療養指導、家族の相談にのるなど、幅広いサポートを提供。

どちらの職種も高齢化が進む現代社会において求められる重要な役割を果たしており、利用者と家族、主治医との橋渡し役として、コミュニケーション能力や責任感が求められます。

訪問看護師のキャリアプランについてはこちらの記事もチェック

Q.キャリアプランはどう立てたらよい?

A.将来の希望や目標を明確にすることから始めましょう。

看護師のキャリアプランを立てるためには、まず自身の将来の希望や目標を明確にすることが大切です。

将来的な目標を決めたら、必要な資格やスキルなどの情報を収集し、具体的な目標を設定しましょう。期限ごとに細かい目標設定をすることで、やるべきことが明確になり、目標を達成しやすくなります。

また、ワークライフバランスや収入などの自分にとって重要な要素を考慮しながら、キャリアプランを立てることも重要です。

Q.キャリアアップしやすい職場の特徴は?

A.キャリアアップ支援の体制が充実していることが多いといえます。

看護師がキャリアアップしやすい環境としては、教育制度が整備されている職場や、スキルアップのための研修を積極的に開催している職場があげられます。

例えば、認定看護師や専門看護師の取得を支援するための制度など、キャリアアップに向けてのサポート体制が整っている職場も、キャリアアップを目指す看護師にとっては魅力的な環境といえます。

Q.今の職場でキャリアアップが難しい場合は?

A.看護師として転職を検討するのもおすすめです。

看護師としてキャリアアップしたいものの、現在の職場では難しい場合は、転職がおすすめです。転職によって、教育制度が整備された職場やスキルアップのための研修が積極的に開催される職場に出会えるかもしれません。自分の将来のキャリアを見据えて、必要があれば転職を検討することも一つの方法です。

【無料】ナースステップの転職サポートはこちら

キャリアアップしたい看護師さんは職場選びが重要

今回は、看護師のキャリアアップについて詳しく説明しました。看護師がキャリアアップする方法にはいくつかありますが、まずは自分が目指す先をイメージし、どのようにキャリアアップしていくかを考えることが大切。また、キャリアアップのために資格取得をする場合は、勉強時間も必要です。

看護師としてキャリアアップしたいものの、現在の職場では難しい場合は、転職がおすすめです。転職先を選ぶときは、転職コンサルタントを活用し、キャリアアップを支援してくれる体制が整っている医療機関や施設を選ぶと良いでしょう。

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