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看護師がスキルアップする方法は?キャリアに役立つ資格も紹介

記事掲載日:2020/12/08

看護師がスキルアップする方法は?キャリアに役立つ資格も紹介

ある程度実務経験を積んだ看護師の中には、「看護師としてもっとスキルアップをしたい」「スキルアップにはどのような方法があるのかな?」など、スキルアップやキャリアについての悩みを抱えている人も多いと思います。

スキルを向上させたいと思う理由は人それぞれです。しかし具体的にどのような方法でスキルアップをしていけば良いのでしょうか。

今回は、看護師としてもっと上を目指したい人のために、スキルアップの方法やスキルアップに役立つ資格を解説します。

看護師としてスキルアップする目的

看護師としてスキルアップすることで、どのような目的が見込めるのでしょうか。ここでは、主に3つに分けて解説します。

1:より良い看護を提供できるようになる

スキルアップをすれば普段の業務におけるパフォーマンスが向上し、これまで以上に患者さまへより良い看護を提供できるようになるでしょう。

また、自身がスキルアップすることで、任せてもらえる仕事の幅も広がります。できることが増え、モチベーションも上がっていくでしょう。

2:給料アップが見込める

2つ目は給料アップが見込めることです。スキルアップをすれば、昇進や昇格の可能性がグンと高まります。

役職に就いたり資格を取得したりすれば手当てが支給されるため、給料もアップすることでしょう。

3:転職や再就職がしやすくなる

最後は転職や再就職がしやすくなることです。しっかりとスキルアップをしておけば、転職でさらに条件や待遇に恵まれた勤務先に移れる可能性が高くなるでしょう。

また、結婚や出産などで一度退職をしても、再就職に有利です。

看護師としてスキルアップする3つの方法

では、スキルアップするためには具体的にどのようなアクションを起こせばよいのでしょうか。続いては、スキルアップするための方法を3つ見ていきましょう。

1:勤続年数を重ね、経験を積む

まずは勤続年数を重ねて経験を積むことです。勤務先での業務を通して、担当分野における看護技術・経験が蓄積され、スキルアップにつながります。

また、昇進・昇格した際には管理職としてのマネジメントスキルも身につきます。

2:資格を取得する

資格の取得もスキルアップに役立ちます。看護師に関わる資格は数多くあるので、自身が身につけたいスキルや実現したいキャリアに合わせて、取得する資格を決定しましょう。

資格の取得を通してより深い知識を習得し、高い技術を持って患者さまと関われるようになるでしょう。

3:転職する

スキルアップのために転職が必要になるケースもあります。他の医療機関や診療科へ転職することで、仕事の幅がどんどん広がっていくことでしょう。

ただし介護施設や障害者施設、一般企業などへ転職する場合、看護師として、スキルアップは限られることを念頭に置いておきましょう。そういった職場での看護師の役割は、健康管理業務やコミュニケーションに重きを置かれることとなり、処置や手当てなどの医療スキルを活かす機会は、多くありません。

スキルアップのための転職では、自身のキャリア観に沿ったスキルアップが見込める転職先を見つけることが重要と言えます。中には、個人のスキルアップや資格取得に消極的な病院もあります。現場が忙しすぎるために、個人のスキルアップに充てる時間が確保できないのです。そういったミスマッチを避けるためにも、スキルアップの意向がある方は資格取得などについて事前に勤務先へ相談してみたほうがよいでしょう。

看護師のスキルアップにおすすめな資格一覧

スキルアップの方法の1つとして、資格の取得を挙げました。資格の取得は形として残るため、スキルアップを客観的に証明できるメリットがあります。看護師が取得しておきたい資格を一覧でチェックしていきましょう。

認定看護師

認定看護師とは救急看護や訪問看護、認知症看護などの特定分野において、高い看護技術を持っていると認定される資格です。

現場実践だけでなく、他の看護師への指導や相談も担います。

2020年からは緩和ケアや在宅ケアなど、新たに19の分野が加わりました。
実務研修5年以上の人が認定看護師教育機関で研修を受け、審査に合格すれば資格取得となります。

認定看護師の資格を取得すると、業務の幅が広がるほか、昇進が期待できたり転職で有利になるなどのメリットがあります。

▼参考資料はコチラ
公益社団法人日本看護協会「資格認定制度 | 日本看護協会 認定看護師」

専門看護師

専門看護師はがん看護や精神看護などの分野において、高い知識や技術を持つと認められた資格です。特定の分野について、専門的な知識を深めたい方におすすめです。

分野数は全部で13あります。

各分野における患者さまやその家族、他のスタッフに対して専門性を持ってサポートをしていきます。

実務研修5年以上、さらに看護系大学修士課程の所定単位を修めて卒業し、審査に合格しなければ取得できません。

専門看護師の資格を取得すると、市場価値が高まるのはもちろん、分野のスペシャリストとして研修や教育に携わる可能性もあります。

▼参考資料はコチラ
公益社団法人日本看護協会「資格認定制度 | 日本看護協会 専門看護師」

ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは正式名称を介護支援専門員と呼びます。介護保険法に基づく要介護認定に関する業務、そして介護支援サービスに関する業務を行う職種です。

とくにケアプラン作成はメイン業務となっており、利用者のアセスメントや関係機関との調整などを通して、一人ひとりにピッタリな介護計画を立てなければいけません。

まずは看護師としての実務経験を5年以上積んだ後、試験を受けます。合格後に実施される実務研修を修了すれば、資格取得です。

ケアマネジャーになることで、今後需要が高まると言われている介護領域において重宝されるでしょう。

▼参考資料はコチラ
公益財団法人 東京都福祉保健財団「介護支援専門員(ケアマネジャー)について」

認定看護管理者

認定看護管理者は、より質の高い看護サービスを提供できるよう、組織内のさまざまな課題を整理・改善する管理の役割を担います。

認定看護管理者になるには、実務経験通算5年以上、またそのうち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験が必要となります。その後、認定看護管理者教育課程の修了もしくは看護管理に関する修士以上の学位取得が求められます。これらの条件を満たしたうえで、認定審査を通過することで資格が取得できます。

▼参考資料はコチラ
公益社団法人日本看護協会「資格認定制度 | 日本看護協会 認定看護管理者」

助産師

助産師は、出産時の介助や妊婦・新生児の保健指導を行うことができる資格です。

資格を取得すれば、病院内の産婦人科やクリニック、助産所などで活躍できるほか、育児指導や不妊治療などへの理解が深まるメリットがあります。

助産師になるには、看護系大学にて助産について学ぶか、助産師養成所に通うなどの方法があります。

▼参考資料はコチラ
公益社団法人 日本助産師会「助産師とは 法律と定義」

保健師

保健師は保健所・保健センターをはじめ、企業での産業保健師、学校や訪問看護ステーションなど幅広く勤務し、健康のためのサポートやアドバイスを行うことができる国家資格です。

保健師になると、健康や保健、栄養について豊富な知識を得ることができ、幅広い分野で活躍できるようになります。

保健師の資格を取得するには、看護系の大学にて保健師選択課程を修了するもしくは、保健師養成学校に通う必要があります。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)|保健師 - 職業詳細」

特定看護師

特定看護師は資格ではありませんが、指定研修機関で研修を受けることで取得できる認定です。

カテーテル交換や投薬、ペースメーカーの操作などは本来、医師の判断と指示が必要です。しかし特定看護師の研修を受けることで、38の医療行為を医師作成の手順書に基づいて行えるようになります。

この認定制度は、近年需要の高まっている在宅医療を充実させる目的で創設されました。今後ますます注目が高まることが予想されます。

▼参考資料はコチラ
看護師の特定行為研修制度 ポータルサイト「特定行為研修制度とは」

そのほか、診療科別で役立つ資格・スキル

最後にそのほかの、診療科別に役立つ資格やスキルを紹介します。

整形外科の看護師に役立つ資格

まずは整形外科の看護師に役立つ資格です。


●日本運動器看護学会認定運動器看護師(JSMNC)

日本運動器看護学会認定運動器看護師とは、運動器分野に特化した看護スキルを活用し、質の高い実践を行うための資格です。
関係職種の連携や、他のスタッフへの指導も役割として求められています。

▼参考資料はコチラ
JSMN 日本運動器看護学会「学会認定運動器看護師制度」


●骨粗鬆症マネージャー

骨粗鬆症マネージャーは骨粗鬆症に関する知識を持ち、予防や治療に関わるコーディネートを行います。高齢者社会が進む中で、ますます需要が大きくなるであろう資格の一つです。

▼参考資料はコチラ
日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症マネージャー制度」


●回復期リハビリテーション看護師

最後は回復期リハビリテーション看護師です。回復期のリハビリテーションにて質の高い看護実践を行い、患者さまのリハビリテーションをサポートすることが目的となっていますので、整形外科において活かすことができるでしょう。

▼関連記事はコチラ
回復期リハビリテーションの看護師とは?仕事内容や働くメリット・注意点を解説

小児科の看護師に役立つ資格

続いては、小児科勤務の看護師に役立つ資格です。


●小児アレルギーエデュケーター

小児アレルギーエデュケーターはアレルギーに関する知識と技術を習得し、小児科医とタッグを組んで治療に当たっていくための資格です。講習会と試験がそれぞれ2つずつあります。

▼参考資料はコチラ
一般社団法人 日本小児臨床アレルギー学会「エデュケーター制度」


●思春期保健相談士

子どもから大人になる思春期では体や環境の変化から、さまざまなことに対して不安を抱えがちです。
思春期保健相談士は思春期にある子どもたちから、さまざまな相談を受けるカウンセラーのような役割を果たします。

▼参考資料はコチラ
一般社団法人 日本家族計画協会「思春期保健相談士とは」

循環器内科の看護師に役立つ資格

最後は循環器内科の看護師に役立つ資格です。


●循環器専門ナース

循環器専門ナースは循環器に関する知識と技術を持っていると証明され、高い看護ができるようになります。

所定の研修を受け、さらに試験に合格しなければいけません。

▼参考資料はコチラ
公益社団法人 臨床心臓病学教育研究会(ジェックス)「循環器専門ナース研修」


●人工心臓管理技術認定士

人工心臓管理技術認定士は補助人工心臓に関する知識を有し、心臓移植までに関わる患者さまのサポートを行うための資格です。

▼参考資料はコチラ
日本体外循環技術医学会(JaSECT)「人工心臓管理技術認定士」

▼関連記事はコチラ
循環器科の看護師の仕事内容とは?働くメリット・注意点や給料相場を紹介

まとめ

スキルアップをすることで看護師としての仕事の質が高まるだけでなく、給料アップ、そして転職や再就職がしやすくなるメリットが生まれます。

勤務経験を重ねたり、転職をしたりする以外にも、資格取得を通してスキルを向上させることが可能です。

今回紹介した資格・スキルを参考にして、レベルアップを目指してみてはいかがでしょうか。

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