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回復期リハビリテーションの看護師とは?仕事内容や働くメリット・注意点を解説 

記事掲載日:2020/10/09

回復期リハビリテーションの看護師とは?仕事内容や働くメリット・注意点を解説 

事故や病気などが原因となって体に障害が残り、後遺症から回復させる過程がリハビリテーションです。リハビリテーション分野でも看護師が多く働いていますが、彼らはいったいどのような仕事をしているのでしょうか。

今回は、回復期リハビリテーションで働く看護師の仕事内容や働くメリット、働く際の注意点、そして気になる給料事情について解説します。

回復期リハビリテーションとは

リハビリテーションを行う医療機関は大きく急性期病院・病棟、そして回復期リハビリテーション病院・病棟に分けられます。

急性期は名前のとおり、命を救うのが目的です。そのため受けられるリハビリ回数や時間は少なくなっています。

対して、回復期リハビリテーション棟はリハビリに重点を置いた施設です。対象となる疾患によって最長180日まで入院できます。

チーム医療がベースとなっており、看護師以外にも医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、薬剤師、栄養士など多種多様な専門職が勤務しているのが特徴です。

回復期リハビリテーションで働く看護師の仕事内容

続いては回復期リハビリテーションで働く看護師の仕事内容を、全部で2つ見ていきましょう。

患者の日常生活に関わるサポート

まずは入院患者の日常生活に関わるサポートです。体に後遺症が残っている患者は食事や着替え、排泄、入浴などのさまざまな場面で支援を必要とします。

看護師は相手の状態に合わせてサポートを行わなければいけません。日常生活すべてがリハビリと考えられているため、できる限り患者自身で行えるように適度な距離で介助をします。

患者の精神的なケア

患者の精神的なケアも看護師の大切な仕事です。後遺症が残っている患者の中には本当によくなるのか、退院してから通常の生活に戻れるのかなど、さまざまな不安を抱えている人も少なくありません。

患者の不安をくみ取り、不安を解消できるような言葉がけや関わりを行うことも、日常的に関わる看護師の仕事です。

回復期リハビリテーションの看護師として働くメリット

回復期リハビリテーションで働くメリットはどこにあるのでしょうか。主なメリットを3つ紹介します。

ワークライフバランスが保ちやすい

1つ目のメリットはワークライフバランスを保ちやすいことです。夜勤があるのでシフト勤務となりますが、入院患者は回復期にあるため重症度は高くありません。

身体的・精神的な負担が少なく、勤務時間中に書類作成や委員会・係の仕事を終えられるでしょう。退勤後や休日に疲れが残らないので、プライベートの時間も大切にできます。

多職種の人と関わるため、知識の幅が広がる

前述したように回復期リハビリテーションで、多くの職種が働いています。

理学療法士や作業療法士などのリハビリ職、ソーシャルワーカーなどの福祉職など他職種の人たちと関わる機会が必然的に多くなるため、看護師としての知識の幅がどんどん広がっていくことでしょう。

一人ひとりの患者と、深く関わることができる

最後は一人ひとりの患者と、深く関われることです。

回復期リハビリテーションの入院期間は最大で180日。平均入院日数18日以内となっている急性期と比べて、かなり長い日数であることがわかりますね。

その分患者一人ひとりとじっくり深く関われるのは、大きなメリットといえるのではないでしょうか。

回復期リハビリテーションの看護師として働く際の注意点

これから回復期リハビリテーションの看護師として働く場合、以下の注意点を頭に入れておきましょう。

看護師としてのスキルアップが難しい

回復期リハビリテーションは看護師としてのスキルアップが難しいといわれています。リハビリを目的とした患者が多いため、看護業務や治療業務は少なくなるのは当然のことです。そのため、本来の看護師としてのスキルアップが難しいのです。

患者の症状が改善するまで、忍耐強く見守る必要がある

2つ目は患者の症状が改善するまで、忍耐強く見守る必要があることです。入院期間が長いということは、劇的に回復するわけではないということです。目に見える形で改善がわかるまで時間を要するため、長いスパンで見守っていく必要があります。

またメリットとして「一人ひとりの患者と深く関わることができる」と述べましたが、中には気難しい患者もいるかもしれません。長い期間にわたって関わることになるので、看護師としては苦労を感じることもあるでしょう。

回復期リハビリテーションで働く看護師の給料は?

最後に気になる給料事情について紹介します。

ナースステップが回復期リハビリテーションで働く看護師の求人を調査したところ、給料は正社員で20万~25万円程度でした。夜勤業務をすれば、さらに夜勤手当が加算されます。

まとめ

回復期リハビリテーションで働く看護師には入院患者の日常生活に関わるサポート、そして精神的ケアが求められます。

残業が少ないため残業代が見込めないこと、処置が少ないため診療報酬が低くなりやすいことから、他の病棟勤務看護師よりも給料は少なめです。

しかしライフワークバランスを保ちやすく、一人ひとりの患者とじっくり関われるのは回復期リハビリテーションで働く看護師ならではのメリットといえるでしょう。