看護師のやりがいとは？部署・施設別の魅力やモチベーションを上げて働くコツ
記事掲載日：2023/12/20
看護師の仕事に「やりがいがない」「モチベーションが上がらない」とお悩みの方もいるでしょう。原因は、職場環境や自分の経験・知識に潜んでいるかもしれません。今回は、看護師の仕事で感じられるやりがいや魅力を、働く部署・施設別にご紹介。やりがいが感じられないときの解決策や、いきいきと働くための職場選びについても解説します。
- 看護師が感じられる6つのやりがいとは
- 【部署別】看護師のやりがい
- 【働く施設別】看護師のやりがい
- 看護師の仕事に「やりがいがない」と感じる主な理由
- 【解決策】看護師の仕事にやりがいを感じられなくなったときは？
- 【看護師向け】やりがいを感じられる職場を見つけるには？
- 看護師の仕事ややりがいに関するよくある質問
- 看護師の魅力を再認識して、やりがいを感じながら働こう
看護師が感じられる6つのやりがいとは
看護師がやりがいを感じる瞬間として、患者さまに「ありがとう」の言葉をかけてもらったときや、患者さまの回復傾向がみられたときなどがあります。患者さまとの関わり以外にも、自身の成長を実感できたときなどにやりがいを感じやすいでしょう。
看護師がやりがいを感じる場面について、具体的に6つご紹介します。
患者さまから感謝の言葉をかけてもらえること
看護師は、患者さまに「ありがとう」と感謝の言葉をかけてもらうときにやりがいを感じやすいです。看護師は、日頃から患者さまの様子に細やかに気を配りながら業務にあたっています。
日々の気遣いや献身的にケアをしている姿に気づいてもらい、感謝の言葉をかけてもらうと嬉しいものです。患者さまの近くで業務をする看護師だからこそ、得られるやりがいといえるでしょう。
患者さまの変化や回復を見届けられること
看護師は、患者さまの近くで寄り添いながら業務にあたっているため、患者さまの小さな変化を間近で感じられます。「昨日までできなかったことが、今日できるようになった」など、患者さまの回復の兆しがうかがえる瞬間に立ち会えるケースも多いでしょう。
患者さまの「できること」が少しずつ増えていく姿を実感できることは、看護師にとって大きなやりがいにつながります。患者さまの回復を心から願っている看護師ならではの喜びです。
看護師の知識・経験を適切な治療や処置に活かせること
自分の看護知識を活かして適切な処置ができたときにも、看護師はやりがいを実感しやすいです。とくに、患者さまの体調が急変した際に冷静かつ迅速に対処できると、自信にもつながるでしょう。
看護師として経験を積み重ね、自身の成長を感じたときなどもやりがいを感じられる傾向にあります。
人の役に立っていると感じられること
看護師は患者さまの他に、ご家族とも関わる機会が多い職業。病気は患者さまご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな苦しみです。負担や辛い気持ちを理解し、日々の業務で言葉がけをしたり相談にのったりすることも多いでしょう。
看護師が関わっていく中で多くの人の精神的な支えとなり、サポートできたとき、人の役に立っていると実感しやすいです。自分の力を誰かの役に立てられることが看護師の喜びであり、やりがいにつながります。
チームで連携・協力し命を救えること
看護師はチーム医療の一角を担う大切な存在です。カンファレンスを重ね多職種で連携し、それぞれの専門性を活かして患者さまの命を救えたとき、やりがいを感じられるでしょう。
看護師は患者さまと密接に関わるため、多くの情報を持っています。他職種と情報を共有することで、患者さまにとってよりよい治療につながり、効果をあげられるでしょう。
比較的高い水準の給料であること
| 全職種の平均年収(男女計) | 看護師の平均年収(男女計) |
|---|---|
| 4,965,700円 | 5,081,300円 |
※「年収＝きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」にて算出
出典：厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
平均年収からもわかるように、看護師の給料は全職種と比べて水準が高めです。収入面でも安定を感じられることから、看護師の仕事をするうえでのモチベーションややりがいにつながっていると考えられます。
ただ、実際の看護師の年収は、働き方や施設形態、勤続年数などによって金額に幅があるため留意しておきましょう。
【部署別】看護師のやりがい
看護師が仕事をしていて感じるやりがいは、部署によっても大きく異なります。部署ごとにどのような違いがあるのか、みていきましょう。
【外来】看護師が感じるやりがい
外来看護師の主な業務は、外来を受診する患者さまの対応です。業務は診療補助から検査、処置など多岐にわたり、日々多くの患者さまやそのご家族と関わります。
患者さまと接する時間は短いですが、継続して関わることで患者さまの変化にも気がつけるように。適切に介入することで信頼関係ができ、やりがいを得られるでしょう。
たくさんの患者さまと長期的な信頼関係を築きたい人
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外来看護師の役割とは？病院によって働き方は違う？仕事内容や魅力を紹介
【病棟】看護師が感じるやりがい
病棟看護師の主な仕事は、入院患者さまの看護ケアや生活のサポートです。外来と比べて関わる患者さまの人数は少ないものの、患者さま一人ひとりに寄り添う対応が求められます。
毎日様子をそばで見守る病棟看護師だからこそ、患者さまの回復や変化をより実感しやすいです。回復の兆候がみられたときは、自身のやりがいにもつながるでしょう。
患者さまのそばで回復の様子を実感しながら働きたい人
【手術室】看護師が感じるやりがい
手術室看護師の主な仕事は、手術を執刀する医師のサポートです。術後の患者さまのケアやサポートなども行います。
患者さまから直接お礼を言われる機会は少ない傾向に。しかし、手術を無事終えられるように、チーム全体でサポートすることが大きな役割です。手術後の達成感や、チームで一体となって手術をすることがやりがいにつながります。
チームで一体となって仕事をすることに喜びを感じる人
【救急外来】看護師が感じるやりがい
救急外来の看護師の主な仕事は、とくに緊急性を伴う患者さまの治療や処置です。患者さまの重症度が高いため、その場に応じた迅速かつ適切な判断や行動が求められます。
緊迫感のある中で落ち着いて適切な行動ができたときや、無事に患者さまの命を救えたときには大きなやりがいを実感できるでしょう。
緊急性が高い患者さまにも冷静な対応ができ、自分の知識を役立てられることに喜びを感じる人
【働く施設別】看護師のやりがい
看護師が感じるやりがいは、働く施設によっても変わる場合が多いです。ここでは、施設別の看護師のやりがいについて紹介します。
【クリニック】看護師が感じられるやりがい
クリニックで働く看護師は、診療補助や検査、採血などの看護業務に加えて、事務業務や雑務を行うこともあります。病院と比べて働くスタッフの人数が少ないため、さまざまな業務への対応力が身につきやすい傾向に。
患者さまとの距離が近いことから、地域に密着した形で看護業務に携われる点にやりがいを見出せるでしょう。基本的に日勤のみのシフトが多く、プライベート時間も確保しやすい職場です。
地域の患者さまと継続して信頼関係を築き、プライベートの時間も確保したい人
【介護施設】看護師が感じるやりがい
介護施設に勤務する看護師は、ご入居者さまの健康管理や生活のサポートをしたり、必要に応じて医療行為を実施したりします。
介護施設は、病院のように多くの看護師が常駐しているわけではありません。ご入居者さまの状態が急変したときなどの緊急時は、看護師としての適切な判断・処置が求められます。
少数精鋭だからこそ非常に責任がある立場ですので、やり遂げた際には大きなやりがいを感じやすいでしょう。
責任ある立場で利用者さまの健康管理や生活のサポートに携わりたい人
【訪問看護】看護師が感じるやりがい
訪問看護師は、患者さまのご自宅に出向いて、看護ケアを提供する仕事です。病院の外来や病棟に勤務する看護師と比べて、より患者さまの状況に寄り添ったケアができるメリットがあります。
患者さまにとって住み慣れた家で、ご要望を叶えられるよう工夫しながらケアを提供できる点に、他の職場にはないやりがいを感じられるでしょう。
一人の患者さまに寄り添って個別性の高い看護をしたい人
▼参考記事はこちら
訪問診療で働く看護師を解説！仕事内容やメリット・デメリットも
【保育園】看護師が感じるやりがい
保育園勤務の看護師は、主に保育園に通う園児の健康状態の確認や衛生指導などを行います。園外保育への同行や保護者に対する保健指導、職員の健康管理なども行うため、業務の幅は広いです。
病院やクリニックのように、医療行為を実施する機会はほとんどありません。保護者対応をする中で、「看護師さんがいるから安心して子どもを預けられる」と喜ばれる機会もあるでしょう。
子ども達の成長を近くで見守れることや、保育の面で業務に関われることなどにやりがいを感じやすい職場です。
子どもが好きで医療行為よりも保育業務に多く携わりたい人
【美容クリニック】看護師が感じるやりがい
美容クリニックの看護師の主な仕事は、患者さまの外見のお悩みに寄り添い、改善を目指すことです。命に関わる緊急的な業務は少ない傾向があり、比較的年齢層が低く健康な患者さまが利用します。
美容に関するスキルや接客サービスを高めることで、患者さまに喜んでいただけるでしょう。患者さまの「きれい」を目指すお手伝いができ、満足してもらえたときにやりがいを見出しやすいです。
美容に興味があり、接客サービスを得意とする人
看護師の仕事に「やりがいがない」と感じる主な理由
看護師の業務は大きな責任を伴います。責任の重さから収入以上に大変と感じてしまったり、業務量の多さや不規則な勤務で疲労を感じたりして、やりがいを見出せない場合もあるでしょう。
自身の知識や経験不足から自信が持てない人や、希望ではない配属先になったことで思い描いていた業務ができず不満が募っている人もいます。
また、原因が自分以外の周囲にあり、やりがいを見出せなくなるケースも。仕事そのものが嫌と感じていないのであれば、まだ改善の余地はあります。行動次第では現在の状況を打開できる可能性があるでしょう。
【解決策】看護師の仕事にやりがいを感じられなくなったときは？
日々の業務に追われていると、看護師としてのやりがいや喜びを見失い、仕事に対するモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。初心に立ち返ったり上手に気分転換したり解決策を試すことで、再びやりがいを見出せるかもしれません。
初心に立ち返ってみる
まずは、看護師を目指した頃や、看護師になったばかりのときの気持ちを思い出してみましょう。日々の業務の忙しさに追われ、初心を忘れてしまっているケースはしばしばあります。
初心に立ち返って、自身が目指していた姿を思い出すことで、看護師としてのモチベーションを上げられる可能性が。改めて、看護師としての目標を見つけるきっかけにもなるでしょう。
先輩や同僚に悩みを相談する
信頼できる先輩や同僚に相談して、今悩んでいることや気持ちを打ち明けてみるのもよいでしょう。今はいきいきと仕事をしている素敵な先輩でも、同じように悩んだ経験があるかもしれません。
共感やアドバイスをもらえれば、今悩んでいる現状を打開できる可能性があります。
スキルアップを目指してみる
看護師として自信がない、患者さまとうまく関われないなどが悩みであれば、自身の経験や知識不足が関係している可能性もあります。看護師としてのスキルや知識、専門性を高めることで自信がつき、仕事へのやりがいにつながるでしょう。
スキルや知識を身につけられれば、将来的に看護師としてキャリアアップを目指せる可能性も広がります。
▼参考記事はこちら
看護師のキャリアアップ方法は？職種の選択肢や取得すべき資格を紹介！
気分転換の時間をうまく作る
仕事にプライベートに忙しくても、気分転換の時間をうまく作ることで、再び前向きに仕事に取り組めるようになる場合もあります。職場での行動や意識を改善し、プライベート時間をしっかりと確保するように努めてみましょう。
十分にリフレッシュの時間を作り、できるだけストレスをため込まないように心がけてみてください。
別の職場への転職を考える
現在の職場環境や人間関係が理由でやりがいを見出せない場合は、看護師として転職を視野に入れてみるのもよいでしょう。働く環境が変われば余裕が出たり、人間関係がうまくいって働きやすくなったりすることも十分に考えられます。
仕事内容に変化があれば、今まで感じなかったやりがいを見出せる可能性もあるでしょう。
【看護師向け】やりがいを感じられる職場を見つけるには？
看護師がやりがいを感じながら働くために、最初に、現在の職場での悩みや不満を明確にしましょう。今の悩みをもとに、今後看護師として働くうえで大切にしたいことに優先順位をつけていきます。
たとえば、「一番にスキルアップしやすい環境であることを大事にしたい」「仕事も大事だけれど、ライフスタイルを重視して働きたい」などです。優先順位に沿って、自分の理想の働き方を実現できる職場を探してみましょう。
看護師の転職求人を探す際は、希望条件に沿って絞り込んで探すのがおすすめです。
看護師の仕事ややりがいに関するよくある質問
看護師のやりがいについて、よく聞かれる質問と回答を以下にまとめました。やりがいを感じられないとお悩みの方は参考にしてみてください。
Q.診療科によって得られるやりがいは違う？
扱う診療内容の特徴から、その診療科ならではのやりがいを得られる場合があります。たとえば産婦人科であれば、新しい命が生まれる場面に立ち会える、精神科であれば患者さまとコミュニケーションを取る中で回復が実感できる、などが特徴的です。
Q.看護師は「やりがいがない」と聞くけれど本当？
看護師の仕事は、患者さまの命に関わる仕事であるため、大変なことも多いのが実情です。大変なイメージから「やりがいがない」と思う人もいるでしょう。
しかし、患者さまから感謝の言葉をもらえたり、人の役に立っている実感を得られたり、看護師だからこそ感じられるやりがい・魅力があります。
【部署別】看護師のやりがいはこちら
【働く施設別】看護師のやりがいはこちら
Q.看護師としてやりがいを感じられないのは悪いこと？
仕事に対してやりがいを感じられない自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったりする必要はありません。仕事に対する考え方や、仕事をする理由は人それぞれです。「やりがい」にとらわれすぎず、看護師としてより自分に合った働き方を見つけられるように行動するのがおすすめです。
Q.看護師はどんな人に向いている？
責任感を持って臨機応変に行動できる人や、コミュニケーション能力が高い人は、看護師の仕事に向いています。患者さまやご家族の気持ちを考えられる人、相手の気持ちを汲み取って行動に移せる人など、共感力が高い人も非常に喜ばれるでしょう。
また、体力的にも精神的にもタフな人は多くの仕事をスムーズにこなせるため向いているといえます。
看護師の魅力を再認識して、やりがいを感じながら働こう
看護師は、患者さまから感謝の言葉をもらったときや、人の役に立てていると実感できたときなどに、やりがいを感じられる傾向にあります。やりがいを見出せず悩んでいる人は、なぜやりがいを感じられないのか、原因を探ってみましょう。自分がどのようなシーンで喜びを感じるのか、振り返ってみるのがおすすめ。
働く部署や施設ごとに得られるやりがいは異なるため、現在の状況によっては職場環境を変えることもひとつの方法です。
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