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透析看護師とは?向いている人の特徴やお給料事情を解説

記事掲載日:2020/08/28

透析看護師とは?向いている人の特徴やお給料事情を解説

同じ看護師という職業でも、仕事内容は勤務する場所によって大きく異なります。看護師として働いていても、透析看護師についてあまり詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、透析看護師の仕事内容や働くメリット、注意点から、向いている人の特徴、お給料事情まで解説します。

透析看護師とは

透析看護師とは、名前のとおり、透析室で働く看護師のことです。

腎不全などで腎臓機能が低下すると、人間は自らの身体だけで血液をろ過することができなくなります。そのような状態におちいった際、腎臓に代わって血液をろ過する方法が「透析」です。

透析には、患者さま自身の腹膜を利用する腹膜透析と、機械を利用する血液透析の2タイプがあります。腹膜透析は自宅や職場で行えますが、血液透析は基本的に通院でしか行えません。透析室を利用するのは、おもに血液透析を行う患者さまです。

透析看護師のおもな仕事内容

透析看護師のおもな仕事内容として、3つをご紹介します。

透析の準備から止血まで

透析を行う患者さまは、内シャントと呼ばれる透析用の人工血管を持っています。透析前に内シャントに針を刺す穿刺、終了後に針を抜く抜刺、そして止血は、透析看護師の仕事です。そのほか、透析を行う機械の準備、透析前の患者さまの血圧確認なども行います。

透析中の患者さまの看護

透析中は、患者さまの状態が変わる可能性もあります。気分は悪くないか、血圧が低下していないかなど、透析中の患者さまを注意深く見守るのも、透析看護師の仕事です。

患者さまの健康管理と生活指導

透析を受ける患者さまは、生活や体重、食事などに多くの制限があります。もちろん、内シャントも、患者さま自身が適切に管理しなければなりません。

そのような患者さまへの健康管理・生活指導も透析看護師の仕事であり、患者さまの予後や生活への満足度に直結する、大切な役割です。

以上の仕事内容からもわかるとおり、透析看護師として勤めるには、多岐にわたる知識・スキルが必要です。

透析看護師として働く2つのメリット

ここでは、透析看護師として働く2つのメリットをご紹介します。

日勤のみで残業がほとんど無い

医療機関によって違いはあるものの、透析はおもに平日の日中に行われます。また、入院・通院に関わらず予約が必要な治療であり、急患もはいりません。

そのため、透析看護師も日勤のみの場合が多く、残業もほとんどありません。体力面の心配も少なく、予定をたてるのも比較的簡単です。ただし、透析中の患者さまが急変した場合などは、残業になる可能性もあります。

基本的にルーティンワーク

透析看護師の仕事内容は基本的にルーティンワークであり、覚えてしまえば業務をスムーズに進めることができます。変化が苦手という方も、腰を落ち着けて働くことができるでしょう。

透析看護師として働く際の3つの注意点

透析看護師として働く際には、注意点もあります。ここでは3つご紹介します。

機械の操作が必須

血液透析には、血液をろ過するダイアライザーのほかに、患者さまの状態を監視するコンソールという機械があり、透析看護師はこれらの機械を操作しなければなりません。機械が苦手な人にとっては、操作を覚えるまでが苦になる可能性もあります。

医療スキルの向上は望めない

透析室において一般的な医療行為を行うことはほとんどなく、医療スキルの向上は望めません。医療スキルの向上を求める場合は、通常の病棟勤務をオススメします。

気難しい患者さまもいる

血液透析には、週に3回程度、頻繁な通院が必要です。そのため、透析看護師も、週に何度も同じ患者さまと顔を合わせなければなりません。

中には気難しい患者さまもおり、そのような方への指導・管理を負担に感じる可能性もあります。

透析看護師の給料事情

透析看護師の給料は、夜勤がないことから、外来勤務と病棟勤務の中間程度が一般的といわれています。具体的な金額としては、月給25~30万程度、年収450万前後であることが多いです。もちろん、夜勤がある勤め先を選べば、給料もそれに応じて上がることが予想されます。

夜勤や残業の少ない環境であることから、仕事内容のわりにお給料が良いといわれることも少なくありません。

また、パートタイマーとして働く場合の給与は、時給1,500~2,000円程度です。

透析看護師に向いている人の特徴

ここまで、透析看護師の仕事内容やメリット・デメリットについて解説してきました。それらを踏まえて、透析看護師に向いている人の特徴は以下の通りです。

  • ●ルーティンワークが好き
  • ●日勤のみで働きたいが、給料もあまり下げたくない
  • ●患者さまと長期的な関係性を築きたい
  • ●特定の分野で専門的な知識や技術を深めたい

繰り返しになりますが、透析看護師の仕事は通常病棟とは違い、基本的に仕事内容・患者さまともにあまり変化がありません。

変化が少ない環境で安定して仕事をこなしたいという方には向いていると言えます。反対に、仕事に変化や刺激を求める方には少し物足りなく感じることもあるかもしれません。

また、待遇に関しても、夜勤がないわりに給料が高めであることも多いため、働ける時間が限られている主婦の方などにもおすすめです。

透析看護師になるには?資格は必要?

透析看護師になるために、とくに必要な資格はありません。

ただし、多くの看護師が「透析技術認定士」「慢性腎臓病療養指導看護師」「透析看護認定看護師」などの資格を取得し、スキルアップをはかっています。

そのほか、看護師としてスキルアップを目指したい方は以下の記事もご参考にしてください。

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まとめ

透析看護師の仕事内容は、透析前後の穿刺や抜刺、透析中の看護、患者さまへの管理指導など、多岐にわたります。
多くの知識やスキルを必要としますが、基本的にはルーティンワークであり、変化の少ない環境で腰を落ち着けて働くことができます。また、夜勤や残業がほとんどないことも、魅力のひとつです。
機械の操作や気難しい患者さまとの付き合いが苦手でなければ、勤め先として検討する価値も充分にあるでしょう。

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