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看護師長の仕事内容とは?求められる能力や年収についても解説

記事掲載日:2020/08/26

看護師長の仕事内容とは?求められる能力や年収についても解説

看護師と一口にいっても、働く場所によってさまざまな役職があります。多くの病院で見られる役職の一つが看護師長です。現場で働く看護師の中には、「看護師長の仕事内容に興味がある」「看護師長を目指したい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
今回は、看護師長の仕事内容と就任までの主な流れ、求められる能力、そして気になる年収についても解説していきます。

看護師長とは

看護師長とは名前のとおり看護師たちのリーダー、つまり管理職の一つです。看護師の管理職では看護主任→ 看護師長→ 看護部長と昇格していくのが一般的で、入院病棟がある大きな病院では、このような管理職が配置されているのが通常です。
看護師長は病棟や外来の各科に配置され、それぞれに所属している看護師たちをまとめます。一般企業に例えると、ちょうど課長のようなポストですね。

看護師長の仕事内容

続いては看護師長の主な仕事内容を見ていきましょう。基本的には現場の看護業務ではなく、看護師のマネジメントやその他の調整業務です。

現場看護師のマネジメント業務

病棟や外来で働く看護師のマネジメント業務を行います。現場の看護師たちが部門の看護目標を達成できるように、スタッフ教育をしなければいけません。もし看護師に悩みごとがあれば話しを聞いて、解決に向けてのアドバイスをすることも求められます。
また医療ミスの予防や再発防止のために、的確な対応策を講じるのも看護師長の仕事の一つです。

他部門や病院管理者との調整業務

2つ目は他部門や病院管理者との調整業務です。大きな病院では複数の部門があって、一つの組織を形成しています。
自身が担当している部門の現状や問題点を抽出して、他部門の看護師長や病院管理者と共有し、課題解決や病院全体の向上に向けて調整をしなければなりません。

病棟の場合は入退院の調整や家族説明なども求められる

入院がある病棟勤務の場合は患者の入退院の調整の他、家族説明を求められることもあるでしょう。
病状や治療説明は通常担当の看護師が行います。しかし患者や家族からクレームなどがあった場合は、責任者でもある看護師長が行わなければなりません。

看護師長になるまでの流れ

看護師長に就任するまでの流れは、各医療機関によって異なります。
一般的には現場看護師として一定の経験を積んだ後、まずは看護主任を目指すことになります。看護主任として看護業務と看護師長のサポートをしながら、マネジメント力を身に付け、その後看護師長を目指すのが一般的なルートです。看護主任が配置されていない小規模病院の場合は、現場看護師からダイレクトに看護師長となることもあります。
昇格には上司からの推薦と管理者との面接を課している場合が多いですが、中には昇格試験を設定しているところもあります。
その他、転職によってポジションに就くケースもあります。

看護師長に求められる能力

看護師長になるためには、師長として業務を遂行する能力が必要です。
どのような能力が求められるのかをチェックしていきましょう。

リーダーシップ

まずはリーダーシップです。所属する部門の看護師をまとめるリーダーシップ力は必須です。
とはいえ、一般企業の管理職のようなリーダーシップとは異なります。部下に指示を与えてグイグイ引っ張っていくのではなく、それぞれが最高のパフォーマンスを行えるようにサポートをすることが求められます。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も大切です。看護師一人ひとりの意見を拾い上げて運営に生かしたり、悩んでいることを丁寧に聞き取って解決に向けたアドバイスをしたりしなければいけません。
多種多様な考え方を持つ看護師たちをまとめるためには、高いコミュニケーション能力が求められます。

豊富な知識・高い技術

3つ目は豊富な知識と高い技術です。現場業務はほとんど行いませんが、リーダーとしてスタッフ教育をするためには、現場の知識と技術の保持は必須でしょう。
日々進化する医療の最新情報をキャッチしておかないと、スタッフ教育はできないものです。

判断力

最後は判断力です。担当する部門では患者トラブルを含めて、対処しなければいけないさまざまなことが発生するでしょう。一つひとつの問題に対して適切に判断をして、対応をしなければなりません。
責任者となる看護師長には冷静に、そして的確に対処できる高い判断力が求められます。

看護師長の年収はどのくらい?

管理職として重大なポストに就いているのが看護師長です。ナースステップで調査したところ、看護師長の年収は500万~700万円ほど。
部門の責任者として業務の重要性が高いこと、また一般的に看護師長になる頃にはある程度の年齢に達していることなどから、現場看護師や看護主任よりも年収が高めになります。

まとめ

病棟や外来の部門長として働くのが看護師長。一般企業で働く、ちょうど課長のような存在です。現場で働く看護師のマネジメント業務の他、他部門や管理者との調整も担当します。リーダーシップ力や高いコミュニケーション力、判断力などが求められます。
しかし管理職ならではの大きなやりがいも感じられるため、現場経験を重ねた看護師にとっては大きなステップアップとなるでしょう。