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看護師の夜勤がきつい?勤務時間帯やスケジュール、職場選びで大切なことなど解説

記事掲載日:2023/05/12

看護師の夜勤がきつい?勤務時間帯やスケジュール、職場選びで大切なことなど解説

病院や介護施設で働く看護師のほとんどがしている夜勤。患者さんのためには必要なことと理解していても、生活リズムの乱れや責任感などから「きつい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。この記事では、そんな看護師の夜勤や勤務時間について、交替制ごとのスケジュール例やあるある、手当などを紹介。夜勤を軸に求人を探す際のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

看護師の勤務時間帯の種類

夜勤がある職場の看護師は、2交替制か3交替制どちらかの勤務形態で働いています。

2交替制は勤務時間を「日勤・夜勤」、3交替制は「日勤・準夜勤・深夜勤」に分かれてシフトが組まれます。どちらの勤務形態をとるかは病院や施設が決めていますが、ナースステップで取り扱う求人を参考にすると、2交替制の求人が多い傾向です。また、3交替制と2交替制を両方採用している医療機関も多くあります。

ここでは、夜勤の時間帯の種類ごとの状況について解説。自分の現状と照らし合わせてみてください。

2交替制 :日勤・夜勤

日勤08:30~17:30(8時間)休憩(1時間)
夜勤17:00~09:00(16時間)休憩(2~3時間)

2交替制の病棟における正規雇用の看護職員の月平均夜勤回数は4~5回程度と、勤務時間が長い分回数は少ない傾向にあります。2交替は夜勤の勤務時間が長いため、生活パターンをつかみやすく夜勤明けの翌日は休みをとりやすいのがメリット。しかし、拘束時間が長く、緊急の対応があると休憩時間がとれないというデメリットもあります。

【2交替制のポイント】
  • 夜勤は夕方から朝までの長時間
  • 夜勤回数は4~5回と比較的少ない
  • 3交替制 :日勤・準夜勤・深夜勤

    日勤08:00~16:30(8時間)休憩(45分~1時間)
    準夜勤16:00~24:30(8時間)休憩(45分~1時間)
    深夜勤24:00~08:30(8時間)休憩(45分~1時間)

    3交替制の病棟における正規雇用の看護職員の月平均夜勤回数は、7~8回程度と、拘束時間が短い分、2交代制よりも夜勤の回数が多いことが特徴です。勤務時間が短く、夜勤の負担が少ないというメリットがありますが、生活パターンがつかみづらく出勤・退勤時間が深夜になることはデメリットといえるでしょう。

    【3交替制のポイント】
  • 夜勤は夕方から深夜まで、深夜から朝までの2パターン
  • 夜勤回数は7~8回と比較的多い
  • 看護師の勤務スケジュール例

    看護師が夜勤でどのようなことをしているか、イメージがつきにくい人も多いでしょう。ここでは、2交替制・3交替制それぞれの夜勤スケジュールをご紹介します。

    2交替制の例

    ・2交替制の1日の流れ<日勤>

    8:00出勤、情報収集
    8:30申し送り・引き継ぎ
    9:00ラウンド、バイタルサインチェック、手術検査への移送・受け入れ、排泄・入浴介助、処置、点滴交換など
    11:30交代で休憩(1時間)
    12:30昼食配膳、食事介助
    13:00内服確認、口腔ケアなど
    13:30カンファレンス
    14:00バイタルサインチェック、手術・検査への移送・受け入れ、点滴交換など
    15:00記録、次の日の処置・退院準備
    16:30夜勤看護師への申し送り
    17:00退勤

    ・2交替制の1日の流れ<夜勤>

    16:00出勤、情報収集
    16:30申し送り・引き継ぎ
    17:00バイタルサインチェック、点滴交換など
    18:00夕食配膳、食事介助
    18:30内服確認
    19:00バイタルサインチェック、点滴交換、排泄介助など
    20:00交代で夕食休憩(1時間)
    21:00消灯、巡回、点滴交換、体位交換、排泄介助、記録整理など
    23:00巡回、体位変換、排泄介助など
    1:00巡回、体位変換、排泄介助、記録など
    2:00交代で仮眠(1時間半~2時間)
    3:00巡回、体位変換、排泄介助など
    5:00巡回、体位変換、排泄介助など
    6:30起床、バイタルサインチェック、点滴交換、体位交換、排泄介助など
    7:30朝食配膳、食事介助
    8:00内服確認、口腔ケアなど
    8:30日勤看護師への申し送り
    9:00退勤

    2交替制の夜勤は、患者さまの夕食前の16時ごろに出勤して、翌朝9時ごろに退勤するのが一般的です。途中の仮眠休憩を合わせて、合計16時間程度の勤務をします。

    仕事内容は日勤帯とほとんど変わりませんが、夜勤は看護師の人数が少ないので1人あたりが対応する患者さまの数が多いという特徴があります。

    夜勤ならではの業務として「巡回」があります。巡回とは、2~3時間おきに病室を回って、患者さまの状態の確認や医療機器の動作確認を行うもの。合間でナースコールが鳴ったら対応してトイレに付き添ったり、寝たきりの患者さまに対して定期的に姿勢を変えるお手伝いを行ったりします。

    ・2交替制の1週間の勤務パターン

    日曜日勤
    月曜日勤
    火曜日勤
    水曜夜勤
    木曜夜勤明け
    金曜休み
    土曜休み

    2交替制では、夜勤1回が日勤2回分の勤務時間になるので、連休をとりやすいのが特徴です。長時間勤務ですが、慣れてくると3交替制よりも楽だとの声もあります。

    3交替制の例

    ・3交替制準夜勤の1日の流れ

    15:30出勤、情報収集
    16:00申し送り・引き継ぎ
    16:30バイタルサインチェック、点滴交換など
    18:00夕食配膳、食事介助
    18:30内服確認
    19:00バイタルサインチェック、点滴交換、排泄介助など
    20:00交代で休憩(1時間)
    21:00消灯、巡回、点滴交換、体位交換、記録整理など
    23:00巡回、体位変換、排泄介助など
    24:00深夜勤への申し送り
    24:30退勤

    準夜勤は、患者さまの夕食前の16時ごろに出勤して夜中0時ごろに退勤します。手術から帰ってきた患者さまの点滴交換・観察や、寝られない患者さまの対応などがあり、忙しい時間帯の勤務といえます。

    ・3交替制深夜勤の1日の流れ

    23:00出勤、情報収集
    24:00申し送り・引き継ぎ
    1:00巡回、体位変換、排泄介助、記録など
    3:00巡回、体位変換、排泄介助など
    4:00交代で休憩(1時間)
    5:00巡回、体位変換、排泄介助、記録など
    6:00起床、バイタルサインチェック、点滴交換、体位交換、排泄介助など
    7:00朝食配膳、食事介助
    8:00内服確認、口腔ケアなど
    8:30日勤看護師への申し送り
    9:00退勤

    深夜勤は、夜中0時前に出勤して、翌朝9時ごろに退勤します。

    仕事内容は、3交替制の「準夜勤」も「深夜勤」も、2交代制の「夜勤」とほとんど変わりません。巡回やナースコールの対応、点滴交換、体位変換などを行います。

    ・3交替制の1週間の勤務パターン

    日曜日勤
    月曜準夜勤
    火曜準夜勤
    水曜休み
    木曜日勤
    金曜深夜勤
    土曜夜勤明け

    3交替制は、2交替制に比べて勤務サイクルがやや速いのが特徴。日勤→深夜の勤務だと、帰ってから数時間休んだらすぐに出勤ということもあり、休みづらく負担が大きいとの声も。ただ、勤務時間は準夜勤や深夜勤でも8時間と短く、残業が少ない傾向です。

    看護師の夜勤あるある

    点滴の自己抜去や転倒など、何かとトラブルが起きがちな夜勤。ここでは、そんな看護師の「夜勤あるある」をご紹介します。

    夜勤メンバーを真っ先にチェック

    少人数で勤務する夜勤はメンバーの相性が大切なため、シフトが出たら真っ先に夜勤メンバーをチェックするということもよくあるようです。同期と一緒なら、それだけで夜勤が楽しみになるという人も。反対に、怖い先輩と一緒の場合は、勤務前から気分が沈んでしまうということもあるようです。

    何も起きないように祈る

    夜勤は1人でみる患者さまの数が多いので、ただでさえ忙しくなりやすいのが特徴。そこに患者さまの急変や緊急入院が発生すると大変です。夜勤に向かう道のりで、「今日の夜勤は何も起きずに無事終わってほしいな」と祈るというのも看護師あるあるです。

    「落ち着いていますね」はNGワード

    患者さまが安定していてナースコールも少ない、そんな時はつい「今日は落ち着いていますね」と言いたくなります。しかし、勤務が終わるまでは言ってはいけないということも看護師あるある。この言葉を発してしまうと、なぜか、ナースコールがノンストップで鳴り出し、緊急の対応で忙しくなると言われています。

    夜勤明けのジャンクフードが美味しすぎる

    夜勤明けは、夜勤をやり切った開放感とストレスで食欲が爆発。しょっぱくてコッテリしたものを食べたくなるなんてことも。夜勤明けに食べるジャンクフードはいつもの3倍増しで美味しく感じられるため、身体によくないと思いながらもつい食べてしまう人も多いようです。

    看護師の夜勤手当

    夜勤をするともらえる「夜勤手当」。看護師の中には、夜勤手当を目当てに夜勤をがんばっている人も多くいます。ここでは、2交替制と3交替制、それぞれの勤務形態の夜勤手当について紹介します。

    2交替制

    平日の夜勤1回あたりの平均手当額=11,286円
    ※定額部分のみ(深夜時間帯(22時~翌5時)の割増賃金を除く)

    日本看護協会が発表している「2020年病院看護実態調査報告書」のデータによると、2交替制の看護師が平日に行う夜勤手当の平均は11,286円/回です。平均的な夜勤回数から考えると、夜勤をすると1ヶ月の収入が3〜5万円増えることになります。ただし、夜勤手当は病院によって異なるので、詳しくは求人情報で確認するのがおすすめです。

    3交替制

    平日の夜勤・1回あたりの平均手当額
    準夜勤:4,154円
    深夜勤:5,122円
    ※定額部分のみ(深夜時間帯(22時~翌5時)の割増賃金を除く)

    3交替制の場合は、準夜勤と深夜勤で手当額が変わります。2交替制と比べると、勤務時間が短い分1回あたりの手当額も少ないですが、月の夜勤回数の合計で考えるとそこまで違いはないといえます。

    夜勤あり・なし、どっちがいい?

    「夜勤がつらい」、「夜勤がない職場に転職したい」と思っている看護師さんは多くいます。しかし、夜勤なしの場合年収が下がるなどのデメリットもあるため、転職を決めきれず悩んでいる人も多いでしょう。ここでは、夜勤あり・なしそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

    夜勤「あり」のメリット・デメリット

    メリットデメリット
    ・収入が3~5万円 程度上がる
    ・夜勤明け翌日は休日がとれる
    ・スキルアップできる
    ・精神的・体力的負担が大きい
    ・他人と生活リズムを合わせづらい
    ・患者さまとコミュニケーションをとる機会が少ない

    夜勤をすると収入がアップします。経済面で不安がある人は、夜勤をした方が稼げるでしょう。また、夜勤時は少ない人数で対応するため、対応範囲も幅広いほか効率的に業務をこなす必要があり、日勤のみよりも速くスキルアップできることも。一方デメリットとしては、多くの看護師が感じている精神面や体力面の負担に加え、家族や友達と生活リズムが合わないことなどが挙げられます。

    夜勤「なし」のメリット・デメリット

    メリットデメリット
    ・精神的・体力的負担が減る
    ・他人と生活リズムを合わせやすい
    ・プライベートの予定を立てやすい
    ・夜勤ありに比べ収入が少ない
    ・休みが週末に限られることが多い
    ・スキルアップの機会が減る

    夜勤をしないと、生活リズムを整えやすいため、精神面や体力面での負担は軽くなります。また、夜勤がない職場では休みが週末になることも多く、家族や友人との予定も合わせやすくなるでしょう。ただ、臨機応変に休みが取りにくい場合があることや、夜勤手当がなく収入が比較的少ないことは、デメリットと捉えられます。また、夜勤時だからこそ経験できる業務ができないため、スキルアップが比較的穏やかになりやすい環境といえるでしょう。

    夜勤「なし」で働ける職場

  • 日勤のみの病院
  • (外来・病棟・手術室・透析室・内視鏡室・放射線科・心臓カテーテル検査室等)
  • 診療所・クリニック
  • 介護施設・訪問介護
  • 保育園
  • 健診センター
  • 企業
  • 治験コーディネーター
  • 看護師は夜勤をしなければならないというイメージがありますが、夜勤なしでも働ける職場はたくさんあります。主な例としては、診療所やクリニックといった比較的規模が小さい職場や、保育園や健診センターなど。また、大きな病院で外来や手術室など日勤のみの部門に異動するという方法もあります。

    夜勤看護師の求人を探す際のポイント

    効率よく稼ぎたい看護師の方は、夜勤をするのがおすすめです。しかし、病院によっては労働量に対して手当が低かったり、勤務・休憩時間にばらつきがあったりする場合も。ここでは、夜勤看護師の求人を探すときのポイントをご紹介します。

    勤務時間・休憩時間

    病院によって、勤務形態や細かい勤務時間は異なります。2交替制か3交替制か、夜勤中の休憩時間はどのくらいか、タイムスケジュールはどうなっているかなどをしっかり調べましょう。同じ病院でも病棟によって「早番」や「遅番」のあるなしが変わるなど、異なる勤務形態をとっていることも。夜勤は体への負担が大きい働き方のため、自分の生活に無理のない範囲で選ぶことが大切です。

    勤務人数・患者さまの人数

    病棟の看護師数や夜勤人数、入院している患者さまの人数も確認しておきましょう。患者さまの人数に対して夜勤看護師の人数が少ない職場は忙しく、休憩や休日が十分にとれない可能性が高いといえます。

    夜勤の回数

    月の夜勤回数やシフトパターンを確認して、自分の希望通りに働けそうかを判断しましょう。日勤と夜勤のバランスをとりたいのか、夜勤をなるべく多くしたいのかによっても最適な勤務先が変わります。

    夜勤手当

    夜勤手当の基準は労働基準法で定められています。きちんと基準額を満たしているか、その他の手当があるかどうかも夜勤ありの看護師求人を探す際のチェックポイントです。

    夜勤看護師の雇用形態

    看護師というと日勤と夜勤の両方を対応する正職員というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、実は夜勤のある看護師にもさまざまな雇用形態があります。

    夜勤専従看護師

    夜勤専従看護師とは、夜勤を専門にする看護師のこと。毎回の勤務に夜勤手当がつくため、効率よく稼げて日中の時間を自由に使えるというメリットがあります。夜勤が好きな人には向いていますが、精神面や身体面での負担は大きいでしょう。また、患者さまが寝ている時間の勤務なので、患者さまとコミュニケーションをとりたい人には物足りなく感じるかもしれません。

    アルバイト・パート

    非正規雇用のアルバイト・パートでも夜勤看護師として働けます。夜勤手当はつきますが、非正規雇用のため正職員と比べるとその他の手当などが減ってしまうかもしれません。勤務日が柔軟に選べるので、大学院に通いながら専門看護師を目指したい人や、その他スキルアップのための資格をとりたい人におすすめの働き方です。

    夜勤の様々な働き方を知って、自分に合った形を選びましょう

    看護師の夜勤といっても勤務形態や雇用形態、手当額などは働く場所によってさまざま。夜勤は効率よく稼ぎたい看護師に向いている方法ですが、精神面や身体面での負担が大きいことも事実です。

    夜勤の働き方を見直したい看護師の方は、まず、夜勤のメリットとデメリットをしっかり押さえましょう。そのうえで理想の働き方を考え、自分に合った勤務ができる職場を選ぶことがおすすめです。

    ナースステップには看護師のためのお役立ち情報が満載。転職情報も充実しているので、転職したい看護師さんはぜひチェックしてみてください。