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看護師2年目の転職は適切?転職成功のポイントと注意点を解説

記事掲載日:2021/08/30

看護師2年目の転職は適切?転職成功のポイントと注意点を解説

看護師2年目は、徐々に仕事にも慣れ、看護師としての自覚も沸いてくる時期ではないでしょうか。ただし、キャリア的にはまだ不十分なため、周囲からは「若手」として扱われます。そのため「わずか看護師2年目で転職しても大丈夫なのか」と不安を抱える看護師もいるでしょう。

そこでこの記事では、「看護師2年目」の役割から、2年目で転職するメリットやデメリットについてもご紹介します。結論から言えば、看護師2年目での転職は可能ですが、少しコツが必要です。この記事が、今後の不安を払拭する一助になればと思います。

看護師2年目の役割とは?

若い看護師女性

新人の後輩看護師(1年目)も入職してきて、新人でもなく、もちろん大先輩でもないのが看護師2年目です。そういった微妙な立ち位置にジレンマを感じ、転職を考えても行動に移せない方も多いと思います。また、「3年勤務して一人前」という世間の見方を気にされる方もいらっしゃるでしょう。

改めて、看護師2年目としての役割を考えてみましょう。

チームの一員として活躍できる

看護師2年目は、新人だった1年目時代とは異なり業務の幅が増え、ベテラン看護師のフォローを任される機会が増えます。技術面では看護師としてまだ未熟ながら、先輩から学び、励まされたりする中で、一人前の看護師として飛躍するための過渡期にあります。特に病棟勤務の場合は「チーム」の一員として、さまざまな職種の方と連携して業務を遂行します。

新人ナースにとって話しかけやすい先輩

看護師2年目は、後輩看護師(1年目)にとって年齢も近く、もっとも身近な存在です。多忙なベテラン看護師には話せないこともフランクに話せたり、相談もしやすいです。また、看護師2年目がベテラン看護師に相談している姿を見て、後輩看護師も「疑問や不安を先輩に相談して良いんだ」と安心でき、相談から解決への好循環が生まれ、結果的に風通しの良い職場につながります。

看護師2年目で転職を考える理由は?

何かを考えている看護師女性

上記のとおり、職場のムードメーカーとしての役割も持つ看護師2年目です。それなりに居心地も悪くないイメージがあるのにも関わらず、転職を検討する理由には何が考えられるのでしょうか。

人間関係がつらい

看護師の転職理由で上位を争うのが、「人間関係がつらい」でしょう。

特に看護師2年目は、先輩看護師によるきつい指導に加えて、後輩看護師からの悩み相談も同時に経験します。自分が辛いだけではなく、先輩、後輩、患者さまと様々な立場の方の辛さをひとりで背負ってしまいます。その結果、自分の努力ではどうにもできなくなり、離職を選択してしまうのも看護師2年目に起こりやすい事態と言えます。

「別の病院やクリニックに転職したら今よりもまだマシなのではないか」と考えてしまうのも当然です。

ワークライフバランスを見直したい

病棟看護師の場合は、夜勤がつきものです。生活リズムが家族や友人とは合わず、自宅に帰れば疲れて寝るだけ...そんな生活に見切りをつけるために転職を検討する看護師も多いでしょう。「職場さえ変えたら今の生活が好転するのではないか」と考えてしまいがちですが、転職に成功したとしても、新しい悩みが生まれるかもしれません。

この場合、「職場を変えることで今の悩みが解決するのか、ワークライフバランスが向上するのか」、よく考える必要があります。転職をする際には3年後、10年後の自分の姿を思い描くことが重要です。今後、結婚や妊娠、出産など人生の大イベントを迎える方もいるでしょう。次の職場は3年後、10年後も看護師として活躍できるのかを冷静に考えてみてください。

給与が上がる見込みがない

看護師は一般的に高給な職業だと言われていますが、看護師2年目だとそこまで実感が湧かないかもしれません。日本看護協会が公開している看護職の給与データ(2018年版)によると、『高卒+3年過程卒の新卒看護師』の平均基本給与額は20万円足らずです。看護師2年目であってもほぼ新人と変わらないですし、年功序列で給与が上がっていくにしろ、看護師2年目だとまだそのイメージができないというのが現実ではないでしょうか。

もし先輩看護師に給与の実状を聞けるなら実際の声を聞くのもアリですし、今後給与が上がる見込みがないようなら、現在の職場は見限っても良いのかもしれません。また、看護師は3年目から一人前としてみなされる傾向にあるので、もう1年だけ今の病院やクリニックで耐えてみることで違う景色が見えるかもしれません。

▼参考記事はこちら
看護職の給与データ(2018年版)

専門性を身に付けたい

自分が身に付けたい看護スキルが現在の職場では得られない、もしくは他にやりたいことができた時は、無理に現在の職場に留まる必要はありません。スキルアップ、キャリアアップなど前向きな動機がある転職は、自身の成長にも繋がります。

看護師2年目での転職のメリットとデメリット

ポイントを指す若い看護師

現在の職場に留まるのも、新しい職場に飛び込むのも、どちらも正解だと思います。その前に、看護師2年目で転職するメリットやデメリットがあることも知っておきましょう。

2年目で転職するメリット

体力があるうちに専門性を高められる

看護師2年目は、まだ20代前半の方がほとんどだと思われます。20代前半は体力があり、物事を吸収できる柔軟さもあります。ここで専門性を高められる病院やクリニックに転職することによって、将来の可能性が無限大に広がります。

自身の体はもちろん、精神も健康でなければ病に苦しむ患者さまのサポートは難しいものです。看護師2年目であれば、転職により人生を大きく変えられる可能性があります。

引継ぎが少なく辞めやすい

看護師2年目は役職についていないことがほとんどなので、さほど仕事の引継ぎには苦労しません。最低限の情報共有はもちろん必要ですが、「自分がいなくては職場が回らない」ということは稀なはずです。

1年目に比べて転職先の幅が広がる

看護師2年目は、スキル的にはまだ未熟だとは言え、研修や現場を通じて一通りの看護スキルは身に付けています。そうすると病院だけではなく、クリニック、健診センターなど、さまざまな転職先が視野に入ってきます。1年目の転職であれば採用側も「スキルに不安」と危惧するものですが、2年目であれば、1年目での転職に比べると、採用確率は上がります。

2年目で転職するデメリット

短期間で辞めてしまうと誤解されやすい

「もしかして採用しても、ウチも短期間で辞められてしまうのでは...」と転職希望先で思われてしまうのがデメリットのひとつです。ここでのコツは、面接時は決してマイナスな理由で辞めたと伝えるのではなく、「ここで働きたい!」とやる気や意欲をアピールすることが大切です。

経験不足とみなされる可能性もある

看護師2年目は、勤務数十年のベテラン看護師と比較すれば、もちろんまだ「若手」です。特に即戦力を求めている職場にとっては採用懸念材料が多すぎます。そのため、20代前半での看護師転職は、「第二新卒、教育体制充実、未経験歓迎」としている求人に絞って転職活動を行うのが得策です。念のため、応募時に教育や研修体制の有無についても聞いておくのが良いでしょう。また、自身が所属していた科目に限定して求人を探すのもおすすめの方法です。

プリセプターの経験ができない可能性がある

「プリセプター」とは、新人看護師の教育・指導を一定期間、1対1で担当する立場の方を指します。新人看護師を育てるとともに、自身も看護師としての学びを深められる貴重なポジションです。一般的には看護師として働いて3年以上の先輩看護師が担当するため、看護師2年目では経験できません。また、転職先の病棟でプリセプターを経験したくても、2年のキャリアが認められない場合は数年後になってしまうかもしれません。

さらに、小規模のクリニック等では、プリセプター制度を導入していないケースもあります。

まとめ

看護師2年目の転職について、その実態をお伝えしました。「石の上にも3年」ということわざがありますが、3年間我慢し続けてもストレスで体や精神を壊してしまっては意味がありません。

近年は看護師不足が続いているため、看護師2年目でも転職はできますし需要はあります。ただし、転職のメリットとデメリットを考えて、自身の中で納得した上での転職が良いのは間違いありません。まずは、自身が「なぜ転職したいのか」という想いに向き合い、現職ではどうしても解決ができないなら、転職を視野に入れましょう。それからでも決して遅くはないはずです。

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