業界情報

刑務所看護師の仕事とは?安全性や気になる給料について解説

記事掲載日:2020/08/26

刑務所看護師の仕事とは?安全性や気になる給料について解説

刑務所看護師という仕事は、すでに看護師として働いている多くの人にとっても、あまり馴染みのない仕事かもしれません。

刑務所で働く看護師について興味がある人、そして実際に目指そうと思っている人にとって気になるのが仕事内容や給料ではないでしょうか。また、刑務所という場所柄、安全性についても知りたいところです。

今回は、刑務所看護師の仕事や働くことのメリット、注意点、そして給料事情について解説します。

刑務所看護師の仕事とは

刑務所看護師の勤務先は通常、一般刑務所内にある診察室か医療刑務所のどちらかです。一般刑務所の診察室は、学校にある保健室のようなイメージで、ケガをしたり体調不良になったりした受刑者の処置・看護を行います。また受刑者の健康チェックも仕事の1つです。

医療刑務所の受刑者はすでに治療が必要な疾患を持っていたり、手術を要するケガを負っていたりします。糖尿病患者へのインスリン注射、人工透析の対応など、業務範囲は多岐にわたります。医療刑務所で働く看護師は病院勤務の看護師と同じように、受刑者の治療・看護を行うのが特徴です。

刑務所で働くのは安全?

刑務所で働くにあたって気になるのが、安全は確保されているのかどうかでしょう。しかし心配はいりません。受刑者の処置や看護をする際は、刑務官が同席してくれます。看護師一人で対応することはないので安心です。

刑務所看護師として働くメリット

ほとんど馴染みの少ない刑務所看護師ですが、働くことで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。主なものを3つ見ていきましょう。

刑務所看護師は国家公務員として扱われる

1つ目のメリットは、国家公務員として扱われることです。刑務所は国が管理している施設のため、当然働くスタッフは国家公務員です。看護師も国家公務員として勤務をします。

雇用が安定しており、勤務年数に応じて収入がアップしたり、国家公務員ならではの福利厚生を利用できたりと、メリットはたくさんあるでしょう。

ワークライフバランスを保ちやすい

ワークライフバランスを保ちやすいのもメリットの1つです。週休2日制が確保されているため、プライベートの時間を大切にできるでしょう。さらに祝日は休みとなる場合が多いです。

また、一般刑務所では基本的に日勤のみとなるため、生活リズムを崩したくない人にも向いているでしょう。

コミュニケーションが苦手な看護師でも働きやすい

最後のメリットが、コミュニケーションが苦手な看護師でも働きやすいことです。医療機関に勤務すると直接的な看護業務の他に、患者が安心できるように言葉でのコミュニケーションは欠かせません。しかし、人によっては、患者と話をすることが苦手と感じることもあるでしょう。

刑務所勤務の場合は、基本的に受刑者と治療に必要なこと以外は話せないルールになっています。患者とのコミュニケーションが苦手な人でも、最低限の会話だけで仕事が可能です。

刑務所看護師として働く際の注意点

刑務所の看護師として働く際、事前に知っておきたい注意点があります、1つずつ確認していきましょう。

求人が少ない

まずは求人自体が少ないことです。医療機関と違って刑務所の数は限られており、なおかつ働く看護師も少数です。また、国家公務員といった待遇から退職する人も少なく、求人は決して多くありません。中には非公開求人となっているものもあります。

刑務所は交通の便が悪いことが多い

刑務所は街の中心地から離れた場所にあるため、必然的に交通の便は悪くなりがちです。車で通勤しなければならなかったり、車であっても通勤時間がかかったりすることもあるでしょう。

一般刑務所の場合、看護師としてのスキルを磨きにくい

最後は一般刑務所で働く場合ですが、看護師としてのスキルが磨きにくいと言えます。前述したように一般刑務所の診察室は、学校の保健室のようなもので、簡単なケガの処置や看護業務がほとんどです。看護師としての治療技術や看護技術を向上する機会は少ないといえるでしょう。

刑務所看護師の気になる給料は?

最後に気になる給料事情をご紹介します。刑務所看護師の求人を調査したところ、月給で約20万円~30万円、年収換算で約300万円~450万円が相場であることがわかりました。刑務所がある地域によって金額は異なるでしょう。

まとめ

刑務所で働く看護師の活躍フィールドは、一般刑務所か医療刑務所のどちらかです。一般刑務所は簡単なケガや疾患への対応が基本ですが、医療刑務所の場合は医療機関と同じような対応が求められます。

受刑者の処置や看護をする際は刑務官が同席するなど、安全面も確保されているので、安心して働くこともできそうです。求人数の少なさや交通の便が悪いなどのデメリットもありますが、国家公務員といった安定した待遇を得られるのは何よりも大きなメリットでしょう。ワークライフバランスも保ちやすいため、長く働くことも可能です。