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訪問看護ステーションの管理者の仕事内容を紹介!所長との違いは?

記事掲載日:2022/09/12

訪問看護ステーションの管理者の仕事内容を紹介!所長との違いは?

訪問看護ステーションの看護師は利用者さまのもとへ訪問し、看護を提供します。

そして訪問看護師たちをまとめるのが、訪問看護ステーションの管理者です。では訪問看護ステーションの管理者とはどのような仕事をしているのか、今回は訪問看護ステーションの管理者の仕事内容や年収について解説します。

訪問看護ステーションにおける管理者とは

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訪問看護ステーションの管理者とは、文字通りそのステーションの管理を任されている方です。しかし、管理者にもさまざまな位置づけがあります。

管理者としてだけでなく経営者の肩書も兼ねているステーションや、経営者とスタッフの中間の職種として管理者が置かれているステーション、さらには訪問スタッフとして訪問にも回るステーションも存在します。

管理者になる条件

管理者になる条件として、厚生労働省は「専従かつ常勤の保健師又は看護師であって、適切な指定訪問看護を行うために必要な知識及び技能を有する者」というように定めています。

「専従」という言葉は、厚生労働省が令和2年3月5日に出した『指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について』によると、「指定訪問看護の提供の時間帯を通じて指定訪問看護以外の職務に従事しないこと」という定義になっています。また、同資料に「その事業の運営向上に努めること」という記載もあり、経営者のような側面もあると言えるでしょう。そのため具体的な記載はないものの、管理者は事業運営にあたる知識が必要な立場でもあります。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省『訪問看護』
厚生労働省『指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準』
厚生労働省『「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」 の一部改正について』

管理者と所長との違いは?

管理者というのはそもそも訪問看護ステーションの事業立ち上げにあたり、法律で定められた必須な要員です。厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」第八十号の第一章第三条にも「指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない」と定められています。

しかし所長というのは設置が定められた役職ではありません。そして所長は必ず看護師や保健師でなければならないという決まりもなく、作業療法士などの職種が所長になるのも可能です。

たとえば、チームとして看護師をまとめやすくするために各事業所に所長を設けるケースもあります。いわゆる病棟ごとに置かれる師長のようなイメージです。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省『指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準』

管理者の仕事内容

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では実際に訪問看護ステーションの管理者の仕事内容にはどのようなものがあるのか、下記の3つに分けて紹介していきます。

  • ・多職種連携
  • ・経営
  • ・人員のマネジメント

多職種連携

訪問看護ステーションにとって重要なのが多職種連携です。

訪問看護を提供する利用者さまは地域で生活をしています。その利用者さまに看護を提供するには、利用者さまが通院している病院やクリニックとの連携が不可欠です。なぜなら、訪問看護ステーションは病院やクリニックの医師から訪問看護指示書をもらって訪問に伺うためです。

訪問看護指示書をもらうだけではなく、疑問点や相談したい点があれば、利用者さまのかかりつけの病院やクリニックの医師や看護師へ、情報提供し相談する必要があります。

そして病院やクリニックだけではなく、社会生活を利用者さまが送るためにも、地域包括支援センターや、管轄の役所の保健課など、さまざまな職種と連携し合い、利用者さまを支えていく必要があります。

その中でも訪問看護師は利用者さまと密接に関わっているため、多職種への情報提供が求められるでしょう。

経営

管理者としての条件で記載したように、管理者には事業所の経営を行う立場もあります。

超高齢社会に突入している日本では、訪問看護を利用する利用者さまは増えており、同様に、訪問看護ステーションも増え続けています。

実際に一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査によると、令和2年4月1日時点では全国で11,031件であった事業所が、1年後の令和3年4月1日時点で13,003件まで増えています。

今後も事業所が増えていく中で、管理者は事業が存続していくための事業経営を行っていく必要があります。

▼参考資料はコチラ
一般社団法人全国訪問看護事業協会『令和3年度 訪問看護ステーション数 調査結果』

人員のマネジメント

管理者には訪問看護ステーションで働く人員のマネジメントも重要です。

訪問看護ステーションで働く看護師の確保も訪問看護では課題となっています。訪問看護の需要が高まる一方で、病棟と訪問看護の現場でのギャップに困惑する看護師も少なくありません。

若手の看護師が訪問看護ステーションで勤務するケースも増えているため、人員定着のためにも研修の充実や、フォローが重要でしょう。

管理者と訪問看護スタッフの関わり

訪問看護ステーションで働く看護師と管理者との関わりが浅い事業所も少なくありません。

日々忙しい訪問看護の業務のなかで、看護師は事業所に戻ってからも報告書作成などの作業に勤しんでいます。また管理者は多職種連携や経営のために会議続きという場合もあるでしょう。

しかし管理者と、従事する訪問看護師は、同じ事業所で同じ目標を持って働く者同士です。そのため適宜関わりを持つ必要があります。

管理者も積極的に目標の共有や利用者さまについてのカンファレンスを開いたり、また働く看護師は利用者さまについて管理者に相談してくることもあります。

そのためにも、管理者は話しかけやすい気風でいる必要があります。ステーション自体の雰囲気は働く上でとても重要であり、それを決めるのは管理者でもあります。訪問看護スタッフとかかわりを持ちながら、働きやすい環境を構築していくのも忘れてはいけない管理者の役割です。

管理者の年収

訪問看護ステーションで働く管理者の年収について気になる方も多いでしょう。

実際の年収には幅はあるものの、ナースステップでの求人(2022年6月)を調査したところ、月40万~50万円ほどがボリュームゾーンとなっております。

高い年収には理由があり、管理者は訪問看護を提供する利用者さまやその看護にあたる看護師を管理や、その傍らで事業の経営という責任の重さがあげられます。

▼求人情報はコチラ
訪問看護|管理職の看護師求人

まとめ

訪問看護ステーションの管理者は法律で定められており、必須の要員となっています。年々訪問看護ステーションが増加していくなかで、管理者の人数も増加していくでしょう。管理者は自身の役割は何なのか理解しながら働く必要があります。またその訪問看護ステーションに従事する看護師も同様に管理者の立場を理解して働く必要があると言えるでしょう。

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