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泌尿器科の看護師の仕事内容とは?働くメリット・注意点や給料相場も紹介

記事掲載日:2021/06/28

泌尿器科の看護師の仕事内容とは?働くメリット・注意点や給料相場も紹介

泌尿器科で働く看護師は、どのような仕事をしているのでしょうか。特殊な診療科だと思う人もいるかもしれませんが、実は看護師にとって働きやすい場所として知られています。

今回は泌尿器科で働く看護師を取り上げて、仕事内容や働くメリット、働く際の注意点、給料相場などを紹介します。

泌尿器科とは

泌尿器科が治療対象とするのは、主に尿と性器に関する領域です。膀胱や尿道、前立腺や精巣、副腎、腎臓などが該当します。泌尿器がんや尿路結石症、前立腺肥大症、腹圧性尿失禁、男性不妊症といった疾患に対して治療をしていきます。

投薬治療だけでなく手術をすることもあるため、所属は外科です。女性の生殖器関連疾患は婦人科で扱うことから、生殖器関連の患者さんは男性の割合が多くなっています。

泌尿器科で働く看護師の仕事内容

泌尿器科で働く看護師の主な仕事内容は次のとおりです。

・バイタルチェック
・採血や点滴
・医師の診療補助
・検査の介助
・バルーンカテーテル管理などの処置
・オペの準備と片付け

尿や生殖器など、患者さんにとってデリケートな部分を扱う業務が特徴です。外来勤務の場合は患者さんのバイタルチェックや採血、点滴、医師の診療補助などが多くなるでしょう。

病棟勤務では症状が重い患者さんも多く、バルーンカテーテル管理や導尿、膀胱洗浄といった処置も行います。

泌尿器科の看護師として働くメリット

泌尿器科で働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを4つご紹介します。

泌尿器科の専門的な知識やスキルが得られる

尿道留置カテーテルの挿入や尿路ストマの管理をはじめ、仕事を続けていくなかで泌尿器科に関する知識やスキルは高まっていきます。

また、膀胱がんや腎臓がんに罹患している患者さんの場合、抗がん剤を投与することもあるでしょう。投薬スケジュールや副作用についても学べ、他の診療科へ移ってからも役立ちます。

一年を通して忙しさに変化がないので、落ち着いて働ける

泌尿器科には風邪やインフルエンザといった、特定の時期に流行する疾患はありません。そのため、一年を通して忙しさに変化がないのが特徴です。

「先月は患者さんが多くて忙しかったけど、今月は忙しくない」といったことがなく、常に落ち着いて働けるでしょう。

重労働が多くない

車いすに乗った患者さんのトイレ介助や入浴介助といった、身体を大きく使った介助は多くありません。体力に自信がない人でも働きやすい診療科です。

他の診療科より、男性看護師が多い傾向がある

泌尿器科は男性の患者さんが多いこともあってか、男性看護師が多く働いている傾向があります。一般的に女性看護師が多い業界のなかで、男性看護師にとっては働きやすいかもしれません。

泌尿器科の看護師として働く際の注意点

さまざまなメリットがある泌尿器科の仕事ですが、実際に働く際はいくつかの注意点があります。

異性の患者に嫌がられる場合がある

デリケートな箇所を扱うため、異性の患者さんに処置や看護を嫌がられる場合があります。患者さんが抱えている恥ずかしさやストレスを想像して、軽減できるように、丁寧なコミュニケーションを取ることが大切です。

セクハラを受ける場合がある

男性の患者さんのなかにはデリケートな部分を見せることに恥ずかしさを感じ、恥ずかしい気持ちを隠すためにセクハラと捉えられる発言をすることがあります。

「恥ずかしさを隠すために言っている」と理解し、深く気にしないで対応しましょう。聞き流したり、冗談を返したりしながら上手にコミュニケーションを取ることが大切です。

尿の処理が大変というイメージがある

泌尿器科は尿の処理が大変で、「汚い」「臭い」というイメージがあるのではないでしょうか。実際に尿の処理は泌尿器科勤務の看護師にとって、避けられない業務です。

膀胱炎や結石を患っている患者さんの尿は、臭いも強くなります。尿の処理ができるのは、最低限看護師に求められることです。責任をもって業務にあたりましょう。

泌尿器科で働く看護師の給料相場

当サイトが泌尿器科で働く看護師の給料相場を調査したところ、月収で23万円~35万円、年収で380万円~450万円ほどでした。地域や経験年数、夜勤の有無などによって金額に幅が生まれます。

泌尿器科で働く看護師がもっていると役に立つ資格は?

看護師の資格だけでも泌尿器科で働けますが、「排尿機能検査士」の資格取得が仕事に役立つでしょう。資格取得を通して、尿流測定や膀胱内圧測定といった、泌尿器科では欠かせない検査に関する知識とスキルを習得できます。

看護師が資格を取得するための条件は、以下のとおりです。

・排尿機能検査の経験を50例以上もっていること
・コメディカルスタッフとしての人格及び見識を備えていること
・日本泌尿器科学会専門医の推薦があること
・排尿機能検査士講習会に参加すること

上記の必要条件を満たしたうえで申請し、基準を満たしていると判断されれば資格が付与されます。ただし、資格は5年ごとに更新しなければいけません。

まとめ

泌尿器科が治療対象とするのは、尿と性器に関わる領域です。デリケートな部分を扱うことが多く、病棟勤務の場合はバルーンカテーテル管理や導尿、膀胱洗浄といった処置も行います。

季節によって忙しさが変わることがなく、また身体を大きく使う重労働もありません。気になった人は求人情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。