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看護師の給料(平均年収・月収)はいくら?収入を上げる方法など

記事掲載日:2023/05/24

看護師の給料(平均年収・月収)はいくら?収入を上げる方法など

「給料が高すぎる」とも言われている看護師。実際のところはどうなのか、全国の平均的な収入はいくらなのか気になりますよね。そこで今回は、看護師の年収・月収、手当の額、都道府県別の収入ランキングなどを紹介します。「頑張って働いても給料が安い...」「給料を上げたい」とお悩みの方は是非参考にしてみてください。

看護師の「年収」についてはこちらの記事をチェック
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「看護師の給料が高すぎる」は本当?平均年収・月収は?

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「看護師の給料は高い」と、よく言われています。実際に看護師の給料はいくらなのでしょうか。また、全国平均と比較した場合、看護師の給料はどのくらい高いのか解説します。

※下記データは、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」(一般労働者のデータ)及び「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(一般労働者の賃金)を加工使用しています。

看護師の平均年収・月収

  • 平均年収:498.6万円
  • 平均月収:34.4万円(31.2万円)
  • 平均ボーナス:85.4万円
  • ※おおよその値を記載しています。

    厚生労働省の調査によると、看護師は、年収約498.6万円、ボーナス約85.4万円が平均です。月収は、手取りではなく控除前の額(決まって支給する現金給与額)で約34.4万円。残業代や深夜勤務手当などを抜いた額(所定内給与額)で31.2万円が平均。

    男女別でみると、男性看護師の平均年収は約518.3万円、女性看護師の平均年収は約495.9万円と、男性の方がやや給料が高い傾向にあります。

    ※きまって支給する現金給与額は、手取りではなく、所得税や社会保険料などを控除する前の額。 現金給与額には、基本給のほか各種手当(通勤手当、職務手当、家族手当など)、超過労働給与額(残業代、深夜勤務手当など)が含まれます。
    ※所定内給与額は、きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額。
    ※きまって支給する現金給与額、所定内給与額の定義の詳細については、厚生労働省の調査結果をご確認ください。

    全国平均と比較した場合の看護師の給料

    所定内給与額で比較した場合、全体的にみると看護師の給料は比較的高いと言えますが、極端に高いとも捉えがたいのが現状です。

    全国平均 看護師
    男女 30.7万円 31.2万円 +0.5万円
    33.7万円 31.8万円 ▲1.9万円
    25.3万円 31.1万円 +5.8万円

    ※おおよその値を記載しています。

    上記は、厚生労働省の調査結果のうち「所定内給与額※」を全国平均と看護師で比較したものです。

    全体的にみると、看護師の給料は平均より若干高いといえます。ただ、男女別でそれぞれ比較すると、性別により全国平均に対する看護師の給料の位置に違いがあることが分かります。具体的には男性については、全国平均より看護師の給料は約1.9万円低くなっているのに対し、女性は全国平均に比べ看護師の給料が5.8万円高いです。

    ただ、この結果はあくまで全体を比較したもので、経験年数や地域によっても給料に差があります。詳しくは後述します。

    ※各種手当を抜いた金額で、所得税等を控除する前の額。詳細は厚生労働省のサイトを参照ください。

    看護師と医療・福祉の関連資格の給料を比較

    看護師と、医療・福祉業界に関わる他の職種との給料を比較してみると、看護師の給料は、同業界の他職種と比べ高い水準にあることが分かります。

    職種 所定内給与額(月額)
    看護師 31.2万円
    看護助手 20.3万円
    准看護師 26.6万円
    保健師 30.4万円
    助産師 34.1万円
    ケアマネージャー 27.7万円

    ※おおよその値を記載しています。

    同じように病院で働くことの多い准看護師との給料差は月額5万円ほど。また、上級資格である保健師と助産師は、夜勤の有無が給料に影響していると考えられます。夜勤がほとんどない保健師は看護師よりも給料が低く、助産師は夜勤もあることから、表にあげた職種の中では給料が最も高くなっています。

    看護師の給料の差をさまざまな項目別に分析

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    看護師の給料は、さまざまな条件で違いが出ます。ここでは、年代・経験年数・地域別・職場の規模・職場の種類による給料の違いについて分析していきます。

    ※下記データは、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」(一般労働者のデータ)及び「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(一般労働者の賃金)、「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」を加工使用しています。

    【年代別】看護師の給料

    看護師の平均月収は約34.4万円。
    年代別にみると20代前半約28~29万円程度からスタートし、10万円程度増の50代後半の約37~38万円をピークに、平均月収が右肩上がりで上昇していく傾向にあります。
    50代後半は管理職に就く人が多いため、給料も高くなるといえるでしょう。その後60歳以降で給料は少しずつ減少していきますが、この理由は、定年を迎え雇用形態が変化するためと考えられます。

    全国平均を踏まえると、年齢による給料の上昇は緩やかと考えられます。

    「年代別看護師の給料」をくわしく見る

    年齢 現金給与額(月額)
    20~24歳 28.6万円
    25~29歳 32.1万円
    30~34歳 33.2万円
    35~39歳 34.1万円
    40~44歳 36.3万円
    45~49歳 36.8万円
    50~54歳 37.5万円
    55~59歳 37.9万円
    60~64歳 32.5万円
    65~69歳 30.4万円
    70歳~ 27.7万円

    ※おおよその値を記載しています。

    【経験年数別】看護師の給料

    看護師としての経験年数が長くなるほど、給料が上がる傾向にあります。
    所定内給与額のみの違いでも、経験年数1年未満と比較し、1年~4年で2~3万円程度、10~14年で6~7万円程度、15年以上で9~10万円程度、月の平均額が上昇します。

    「経験年数別看護師の給料」をくわしく見る

    看護師の平均所定内給与額は約31.2万円です。

    経験年数 所定内給与額(月額)
    0年 24.9万円
    1〜4年 27.6万円
    5〜9年 29.5万円
    10〜14年 31.1万円
    15年以上 34.2万円

    ※各種手当を抜いた金額で、所得税等を控除する前の額。詳細は厚生労働省のサイトを参照ください。

    ※おおよその値を記載しています。

    【地域別】看護師の給料

    都道府県別に看護師の平均年収を比較すると、1位の東京都と47位の宮崎県の平均年収では約159.2万円の差があることが分かります。

    全体的に関東などの都市部を中心に年収は比較的高い傾向にあり、都市部から離れるにつれて平均年収が低くなる傾向にあります。物価や生活に掛かる費用が高い地域や、看護師が不足している地域は給料が高いことが考えられます。

    「看護師の給料が比較的高い地域」をくわしく見る

    都道府県 平均年収
    1位 東京都 541.6万円
    2位 滋賀県 541.5万円
    3位 山口県 534.0万円
    4位 千葉県 533.4万円
    5位 栃木県 529.6万円

    ※おおよその値を記載しています。

    「看護師の給料が比較的低い地域」をくわしく見る

    都道府県 平均年収
    43位 高知県 436.7万円
    44位 徳島県 435.9万円
    45位 鹿児島県 423.4万円
    46位 大分県 414.5万円
    47位 宮崎県 382.4万円

    ※おおよその値を記載しています。

    【職場の規模別】看護師の給料

    勤務先の規模が大きいほど、看護師の給料もやや高くなる傾向です。規模が大きい病院は、「財政基盤がしっかりしている」「専門性が高く高度な医療を提供する」などの傾向にあります。好待遇が可能であること、多くのスタッフを揃える必要があることなどが、給料の高い理由の一つと考えられるでしょう。

    職場の規模 平均月収
    10〜99人 29.8万円
    100〜999人 30.7万円
    1000人以上 32.4万円

    ※おおよその値を記載しています。

    看護師が給料を上げるには?

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    看護師が給料を上げるには、いくつか方法があります。代表的なものは下記の4つです。

    詳しく説明します。

    資格を取得してスキルアップする

    看護師として給料アップを目指すなら、より上位の専門資格を取得し自身でスキルアップを図るのが近道です。専門性の高い資格を取得することで、転職する際にはアピール要素にもなります。

    【看護師のスキルアップにおすすめの資格】
    ・「認定看護師」「専門看護師」などの日本看護協会の資格
    ・「保健師」や「助産師」などの国家資格
    ・その他「栄養サポートチーム専門療法士」「糖尿病療養指導士」「体外受精コーディネーター」「リンパ浮腫療法士」など各学会が認定する資格

    認定看護師、専門看護師は特定の専門分野で高い知識と技術を持つことを示す資格です。いずれも日本看護協会の定める試験に合格することが必要です。

    保健師・助産師はより専門性の高い資格であるため、取得によって看護師のキャリアの幅を広げるほか、働き方によっては給料アップを目指すことも可能です。

    各学会が認定している資格も、職場によっては資格手当が付くこともありますので確認してみると良いでしょう。

    看護師の「スキルアップに役立つ資格」についてはこちらの記事をチェック

    役職のある立場へ昇進を目指す

    看護師には師長や看護部長などの管理職ポストがあり、上の立場であるほど給料が高い傾向があります。

    看護職の中で役職のあるポストは少なく競争率が高いため、役職につくには知識・スキルともに磨いていくことが大切です。

    また、上の役職になっていくとともに、どんどんマネジメントが業務の中心になってくるため、看護を自ら提供する機会は減少します。しかし、スタッフの育成や教育、患者さまやスタッフにとってよりよい環境づくりを進めるなど、看護師としての新たなやりがいを見出すこともできるでしょう。

    夜勤の回数を増やす

    看護師の給料の中で夜勤手当は大きく、夜勤手当が増えると結果的に給料も上がることになります。

    夜勤がある職場であれば上司と相談して回数を増やすと給料アップにつながります。現在の職場に夜勤がないのであれば、夜勤専従のアルバイトと掛け持ちや、転職を検討するという方法もあります。

    夜勤の求人・夜勤についての記事

    高収入を得やすい病院・施設へ転職する

    現在のお勤め先では昇給にも限界がある、といった場合は、思いきって給料水準が高い職場への転職を考えるのもひとつの手です。

    「日勤のみの職場にいたけれど、とにかく給料を上げたい」といった場合は、夜勤のある病院に変更すれば、同じ勤務時間でも給料アップを目指しやすいです。また、オンコール対応のある訪問看護や有料老人ホームも、緊急対応をした際に手当がつく場合が多いため、比較的高収入を得やすいでしょう。

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    看護師の給料(平均年収)に関するQ&A

    看護師の給料や平均年収に関するよくある質問とその答えを紹介します。

    Q.看護師の「給料の内訳」は?

    A. 看護師の給料の内訳は、大きく基本給、夜勤手当、時間外手当、ボーナスの4つに分かれます。そのほかにも、資格手当や役職手当なども、職場環境に応じてつく可能性もあります。

    Q.看護師の「基本給の平均」は?

    A.看護師の基本給は、新卒は約20万、勤続10年で約24万円程度です。

    日本看護協会の「2021年 病院看護・外来看護実態調査」によると、新卒・勤続10年それぞれの看護師の平均基本給は次のとおりです。

    対象 平均基本給与額
    高卒+3年課程新卒 203,445 円
    大卒 209,990 円
    勤続10年(31~32 歳、非管理職) 248,149 円

    出典:日本看護協会「2021 年 病院看護・外来看護実態調査

    基本給与額は大卒と高卒+3年過程新卒では大卒の方が約5千円高いです。また、勤続10年(非管理職)は新卒に比べて約4万円高くなっており、平均すると約4千円/年ほどの昇給となっていると考えられます。

    Q.看護師の「夜勤手当の平均」は?

    A. 夜勤手当は、3交替制では月3~4万円ほど、2交替制では月5~6万円ほどと考えられます。
    日本看護協会の調査によると、夜勤手当の平均額は次のとおりです。

    夜勤形態 平均手当額
    3交替制 準夜勤 4,154円
    深夜勤 5,122円
    2交替制 11,286円

    出典:日本看護協会「2020年 病院看護実態調査 報告書」

    看護師の夜勤形態は主に3交替制・2交替制の2つがあり、形態により手当額が異なっています。勤務時間が長く負担が大きいほど手当額も多い傾向です。
    夜勤回数の平均は3交替制7.7回/月なので、金額にすると3~4万円ほど、2交替制は4.7回/月で月5~6万円ほどの夜勤手当がつくと考えられます。

    Q.看護師の「時間外手当」は?

    A.厚生労働省の調査をみると、看護師の平均超過実労働時間は6時間。時間外手当はあまり大きな額にはならないといえるでしょう。

    ※上記「平均超過実労働時間」は、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」(一般労働者のデータ)を引用しています。

    Q.看護師の「ボーナス」の平均は?

    Q.看護師のボーナスは、平均85.4万円ですが、勤続年数により金額は異なります。看護師は経験年数が長くなるほど、支給されるボーナスの額も高くなる傾向にあり、勤続15年以上の平均では100万円を超えます。

    【経験年数別のボーナス額】

    経験年数 年間賞与その他特別給与額
    1〜4年 約69.6万円
    5〜9年 約79.2万円
    10〜14年 約91.5万円
    15年以上 約102.1万円

    ※上記データは、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」(一般労働者のデータ)を加工使用しています。

    看護師の「ボーナス」についてはこちらの記事をチェック

    Q.看護師が高い給料を得る条件とは?

    A.看護師の給料が高くなりやすい条件としてまず上がるのは、「職場の規模が大きい」「職場が人口の多い都市部にある」「経験年数が長い」「夜勤がある」「オンコールがある」の5つでしょう。

    同じ看護師という仕事でも、職場環境や地域によって給料には大きな差が出ます。まず、規模が大きい病院や人口の多い都市部の医療機関の方が、専門性が高く高度な医療と看護を提供するために給料が高くなる傾向にあります。

    職場環境だけではなく、働き方も給料に影響する要素です。経験年数が長く、夜勤も定期的に行う看護師ほど、給料が高くなりやすい傾向にあります。

    看護師の時給はいくら?

    看護師の平均時給 全職種の平均時給
    1,773円 1,384円

    引用:「令和3年賃金構造基本統計調査」短時間労働者の企業規模計(10人以上)1時間当たり所定内給与額

    時給ベースで見ても、看護師の給料は高めであることがわかります。

    男性看護師の平均時給は1,992円であり、全職種の男性の平均時給1,631円よりも361円高いです。女性看護師の平均時給は1,767円、全職種の女性の平均時給は1,290円なので、その差は477円。男女ともに看護師の時給は高いですが、差額は女性の方が大きいことがわかります。

    看護師の「時給」についてはこちらの記事をチェック

    看護師の初任給は?(高専、大卒)

    高卒+3年課程新卒 259,233円
    大卒 267,440円

    出典:日本看護協会「2021年 病院看護・外来看護実態調査

    日本看護協会の調査によると、2021年の新卒看護師の初任給は上記の通りでした。

    「高卒+3年課程新卒」の看護師に比べて、大卒看護師の方が約8,000円高い結果に。

    看護師の初任給は、学歴によって多少の差があることがわかります。

    看護師が給料アップを目指すなら、転職を考えるのも一つの手段

    看護師の平均年収は498.6万円。全国平均よりやや高く、特に女性の仕事としては給料が高めの職種であることを紹介しました。

    看護師に昇給はありますが、より着実に給与アップを目指したい場合は、新たな資格の取得やキャリアアップを目標にしたり、ライフスタイルや自身のキャリアに合わせて働く環境を変えたりして、より条件の良い職場を見つけていくことが大切です。

    より自分自身に合った、条件の良い職場を見つけるためには転職サービスを利用するのがおすすめ。ナースステップは一人ひとりのお悩みに寄り添い、看護師さんの転職をサポートいたします。「収入を上げたい」「キャリアアップを目指したい」そんな看護師さんはぜひご相談ください。

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