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脳神経外科の看護師の仕事内容とは?働くメリット・注意点や給料相場を紹介

記事掲載日:2021/06/23

脳神経外科の看護師の仕事内容とは?働くメリット・注意点や給料相場を紹介

脳神経外科で働きたいと思っている看護師のなかには、「仕事が難しそう」「ハードな職場」といったイメージをもっている方もいるのではないでしょうか。

今回は脳神経外科で働く看護師を取り上げ、仕事内容や働くメリット、注意点、気になる給料相場をご紹介します。

脳神経外科とは

脳神経外科は脳や脊髄、末梢神経系とそれらの付属器官のなかで、とくに急性期ケアを必要とする神経系疾患を対象とした診療科です。

脳出血や脳梗塞、脳腫瘍など対象となる疾患は多岐にわたります。かつては外科治療の対象とならなかった疾患が手術できるようになったものもあり、脳神経外科の治療対象は増加しているといえるでしょう。

脳神経外科で働く看護師の仕事内容

脳神経外科で働く看護師の主な仕事内容は、次のとおりです。

・手術の準備
・バイタルチェック
・注射や点滴などの処置
・食事や排泄、入浴などの介助
・服薬管理
・カンファレンスへの参加

基本的に他の診療科で働く看護師と、仕事内容は大きく変わりません。大きな違いのひとつが、バイタルチェックが細かくなることです。

とくに手術を終えた患者さんは話ができないため、細かいバイタルの変化から患者さんの状態を読み取る必要があります。また、頭部にドレーンが挿入されているケースもあり、厳重に管理をしなければいけません。患者さんの命に直結するような業務が多く、細心の注意が求められる診療科です。

脳神経外科の看護師として働くメリット

続いては、脳神経外科の看護師として働くメリットを、3つみていきましょう。

脳神経外科の専門的な知識やスキルが得られる

脳神経外科の専門的な知識やスキルを得られることです。仕事を続けるなかで脳や神経、脊髄などに関する専門知識が高まっていくことでしょう。

脳血管疾患をもつ患者さんのなかには血管が細かったり、もろくなっていたりする人もいます。点滴や採血が難しい患者さんへの処置をくり返していくことで、スキルも磨かれていくはずです。

様々な状況での対応力と自信が身につく

脳神経外科は急性期ケアを担当するため、現場は緊迫しています。1分1秒を争う患者さんもいるので、看護師にとってもハードな職場となるでしょう。

しかし緊迫した現場やハードな職場であることから、様々な状況へ対応できる力が身につきます。経験を重ねていくなかで、自信もついていくはずです。スムーズな業務の段取りや急患、イレギュラーへの対応力は、他の診療科でも十分生かされます。

患者さんの回復にやりがいを感じられる

患者さんの回復にやりがいを感じられることです。

脳神経外科では急性期の手術から術後の療養、そして回復に向けたリハビリまで、患者さんと長い期間にわたって関わることが少なくありません。回復していく過程に関わり、回復を間近で見守れることにやりがいを感じられる診療科です。

脳神経外科の看護師として働く際の注意点

様々なメリットがある脳神経外科の仕事ですが、働く際は次の点に注意しましょう。

命に直結する現場で働くため、妥協が許されない

脳神経外科は急性期の患者さんを受け入れるため、命に直結する現場といっても過言ではありません。看護師には妥協が許されず、一人ひとりの患者さんに対して高い責任感をもって対応する必要があります。

常に緊張感が高く、忙しい診療科であるのは事実です。しかし覚えることや、やるべきことが多い分、看護師としてのスキルアップが期待できるでしょう。

残業や夜勤が多く、ワークライフバランスを保ちづらい

急患の受け入れや患者の急変対応などから、残業となることもあるでしょう。また病棟勤務の場合は夜勤もあります。残業や不規則な勤務シフトで、ワークライフバランスを保ちづらいと感じる人がいるかもしれません。

脳神経外科で働く看護師の給料はいくら?

ナースステップが調査(2021年5月時点)したところ、脳神経外科で働く看護師の給料相場は月収で28万円~35万円、年収で380万円~500万円ほどでした。地域や経験年数、夜勤回数などによって変動します。

脳神経外科の看護師がもっておきたい2つの資格

最後に、脳神経外科で働く看護師がもっておきたい資格を、2つご紹介します。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は、認定看護師の分野のひとつです。脳卒中の患者さんの重篤化を予防するために行うケアや、早期リハビリテーション、機能回復支援などを学びます。脳神経外科の仕事へダイレクトに生かせる仕事です。

取得方法は次のとおりです。

・実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定分野における実務研修)
・認定看護師教育機関へ入学し、教育を修了する
・認定審査に合格する

転倒予防指導士

転倒予防に関する知識と技術をもっているとされるのが、転倒予防指導士です。脳疾患をもった患者さんのなかには転倒しやすいことも多いため、転倒予防に関する知識や技術は仕事に役立ちます。

資格の取得方法は次のとおりです。

・基礎講習会を受講する
・認定試験(筆記試験)に合格する

資格は5年ごとに更新しなければいけません。

まとめ

脳神経外科で働く看護師の仕事内容は、基本的に他の診療科と大きくは変わりません。ただし、術後は話ができない患者さんもいることから、他の診療科と比べてバイタルチェックは細かくなります。

急性期ケアを担うため緊張感あふれるハードな職場ですが、その分、看護師として大きなスキルアップが期待できるでしょう。気になった人はぜひ求人情報をチェックしてみてください。