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看護師の病院以外の転職先16選!よくある質問にも回答

記事掲載日:2023/08/02

看護師の病院以外の転職先16選!よくある質問にも回答

看護師が働ける場所は、病院以外にもたくさんあります。クリニックや介護施設などはもちろん、医療機関以外の職場への転職も選択肢の1つです。今回は、病院以外で働く看護師のメリットやデメリット、おすすめ転職先をご紹介します。病院以外で看護師として働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

病院以外で働くときのメリット・デメリット

看護師が病院以外で働く場合、いくつかのメリット・デメリットがあります。ここでは、一般的な病院勤務と比べながら、病院以外で働くメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

病院以外の職場では、夜勤や残業が少なく休日が固定されていることが多いです。そのため、仕事とプライベートのバランスを保ちやすくなるメリットがあります。

また、夜勤がないため規則的な生活が送れるようになり、体力的な負担も軽減されることが期待できます。

さらに病院以外では、高度な医療行為が求められない場合がほとんど。精神的なプレッシャーを軽減できることもメリットの一つです。

デメリット

病院以外で働くデメリットは、看護経験を活かせる機会が少ないことです。クリニックなどは少人数で運営するため、看護師が事務処理や書類作成などを行うことも多く、看護師としての業務は少なくなりがちです。

また、夜勤がなくなり残業が減るため、病院勤務より給料が低くなるのもデメリットです。

さらに、病院以外の看護師の求人倍率は高いため、そもそも希望する職場に就職できない可能性もあります。

病院以外で看護師として働ける職場

・診療所やクリニック
・美容クリニック
・訪問看護ステーション
・介護施設
・保育園
・障がい者施設や児童福祉施設
・健診センター
・一般企業
・刑務所
・自衛隊
・厚生労働省
・治験機関
・製薬会社
・医療機器メーカー
・ツアーナース
・テーマパークの救護室
・看護学校

診療所やクリニック、介護福祉施設、企業など、看護師として経験や資格を活かして働ける場所は病院以外にもたくさんあります。選択肢を広げて転職先を探すことがおすすめです。

診療所やクリニック

診療所やクリニックはベッドが19床以下の医療機関を指しますが、ほとんどの場合が無床で、外来がメインです。仕事内容は主に医師の診療補助であり、問診やバイタル測定、採血、注射から、薬品・備品の発注まで幅広い業務を行います。

入院施設のない場合、日勤のみで夜勤がありません。身体的負担が少なく、スケジュールも立てやすいため、子育てと両立しながら働く方も多いです。また、比較的規模が小さいため、患者さまとの距離が縮まりやすく、コミュニケーションも取りやすい環境と言えます。

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美容クリニック

美容クリニックでの看護師の業務は、電話受付からカウンセリング、専用機器での施術、アフターケアまで多岐にわたります。一部の美容外科クリニックでは、手術の補助を行うことも。

クリニックの売上が給与に直結するケースが多く、看護師にも接客スキルや販売スキルなどが必要です。また、美容クリニックは自費診療が多くを占めるため、病院と比べて看護師の給与が高い傾向にあります。

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訪問看護ステーション

訪問看護ステーションでは、自宅療養している方を訪問し看護ケアを行うため、看護経験を十分に活かせます。健康状態の観察や医療処置はもちろん、利用者やご家族の相談に乗ったり、地域の病院などと連携をとったりするのも看護師の役割です。

働く日や時間は比較的調整しやすいため、プライベートの時間を取りやすいのも特徴。ただし、訪問看護ステーションによっては、オンコールという緊急の訪問に備えた待機当番が必要なこともあります。

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訪問看護師の仕事内容や給料を解説

介護施設

介護施設では、介護士と連携してご入居者さまのサポートを行います。看護師の主な業務は、健康管理や投薬、採血、点滴などの医療行為です。チームで協力してご入居者さまのケアにあたります。高度な医療処置を行う機会は少ないものの、医師が常駐していない施設も多いため、看護師が自分で判断しなければならない場面もあります。

メリットは、残業が少ないため、プライベートの時間を確保しやすい点です。

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保育園

保育園の看護師は、主に子どもたちの健康管理を担当します。アレルギー持ちの園児へのケアや投薬、健康診断、衛生指導などを行いますが、医療行為は行いません。

子どもたちの健康のサポートはもちろん、看護師も保育士1人分としてカウントされるため、保育士業務を担うことも多いようです。夜勤や残業がないため、働きやすい環境と言えます。

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障がい者施設や児童福祉施設

障がい者施設や児童福祉施設では、受け入れ状況によって看護師の配置が義務付けられています。

主な業務は入居・通所している方々のケア。医師や理学療法士、作業療法士と連携し行います。とくに医療的ケアが必要な障がい者に対しては、人工呼吸器の管理や経管栄養、皮下注射などの医療処置も行います。

健診センター

健診センターでは、健康診断や人間ドックを行います。看護師は、身体測定、血圧測定、尿検査などを担当しますが、とくに重視されるのは採血スキルです。また、検診センターには短時間で多くの方が来院するため、効率の良さも求められます。

検査対象者は健康な方が多いため、精神的負担や肉体労働は比較的少なく、働きやすい職場環境です。

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検診センターの看護師の仕事内容を解説|働く上でのメリットや給料面なども詳しく

一般企業

一般企業で看護師として働く場合は、健康管理室や医務室に所属します。産業看護師の業務は、健康診断の実施や健康に問題がありそうな従業員への指導、メンタルヘルスケアなどが中心です。傷の手当てや急患対応はほとんどありません。

大企業での働き方を望む看護師にとって、安定した職場環境でスキルを活かすことができます。

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刑務所

刑務所で働く看護師を「刑務所看護師」といい、職場は「一般刑務所」「医療刑務所」に分けられます。一般刑務所での主な業務内容は、受刑者の健康管理や体調不良になった受刑者の対応などです。医療刑務所の場合は、病気やケガをしている受刑者に対して、一般の病院勤務と同じような看護ケアを行います。

刑務所看護師は国家公務員なので、福利厚生が完備されているのがメリット。また、一般刑務所では平日日勤のみの勤務のため、プライベートの時間が安定して取れます。

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自衛隊

自衛隊の基地や駐屯地、自衛隊病院で働く看護師を「自衛隊看護師」といいます。自衛隊看護師の主な業務内容は、自衛隊員の看護、自然災害が起きた時の被災者の救護、自衛隊病院での一般の患者さまの看護などです。

自衛隊病院で働く場合は、夜勤があります。自衛隊看護師になるには、防衛医科大学校の看護学科を卒業するほか、中途採用で応募することも可能です。

厚生労働省

厚生労働省で看護系技官(公務員)として勤務することもできます。

基本的に、看護系技官の業務は看護の仕事ではなく、公衆衛生や障がい者福祉など、社会全体の課題に取り組むことです。

国家公務員であるため全国転勤の可能性がありますが、給与や福利厚生が充実している点は大きなメリットと言えます。

治験機関

治験機関では、CRC(Clinical Research Coordinator:治験コーディネーター)として活躍できます。治験は新薬の有効性や安全性を確認するための試験を指し、CRCは治験準備や被験者の選定・ケア、報告書作成などを行う医療関係者のことです。

CRCになるために資格は必須ではありませんが、バイオ系や医療関係の資格保持者は優遇されることが多いです。また、休みも比較的取りやすい職場です。

製薬会社

製薬会社でCRA(Clinical Research Associate:臨床開発モニター)として、治験の薬を開発の業務に関わることもできます。

主な業務は、医療機関の選定や治験実施状況の確認です。他にも、治験のデータ収集や治験内容の精査、奨励報告書の回収などを行い、治験がスムーズに進むようにサポートします。

一般的にCRAの採用は少なく、狭き門とされています。

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医療機器メーカー

医療機器メーカーでフィールドナース(クリニカルスペシャリスト)として働くこともできます。フィールドナースは、主に自社製品の営業・サービスサポートに従事し、プレゼンテーションやデモンストレーション、アフターフォローを担当。

ビジネスマナーや営業力が必要ですが、一般企業のため夜勤はなく、土日休みの週休2日制で働けるのがメリットです。

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クリニカルスペシャリストの仕事内容とは?必要なスキルや給料相場も紹介

ツアーナース

ツアーナースは、団体旅行に付き添い、参加者が病気やケガをした時に対応する仕事です。

旅行前の打ち合わせから参加して、旅行中は参加者の健康チェックを行います。幅広い知識が求められるため、臨床経験が長い看護師や小児科経験のある看護師が採用されやすい傾向にあります。

派遣の単発での仕事が一般的であるため、収入が不安定な面もありますが、自分の都合に合わせて働くことが可能です。

テーマパークの救護室

テーマパークの救護室で働く看護師は、ケガや病気の初期対応、病院搬送のサポート、薬品・医療器具の管理、カルテやデータの整理などが主な業務です。

土日休みは難しく、外国語対応が求められる場合もあります。時給制が多く給料は低めですが、キャスト限定の割引や珍しい職場環境で仕事ができることはメリットと言えます。

看護学校や大学

看護学校や大学で、教員として働くことも選択肢の一つです。看護師を目指す生徒の育成を行います。

講義や病院での実習指導などを担当するため、看護師としての実務経験が必要となるケースがほとんどです。給料は、教授や非常勤講師など、雇用形態によって大きく異なります。

看護師の病院以外の転職先についてのよくある質問

・新卒で病院以外に就職してもいいでしょうか?
・病院以外へ転職する際の注意点は?

病院以外の職場について、あまりイメージができない方も多いかもしれません。以下、看護師の病院以外の転職先についてよくある質問に回答します。

Q:新卒で病院以外に就職してもいいでしょうか?

A:まずは病院などの医療機関で、看護師経験を積むことがおすすめです。

新卒で病院以外へ就職することは可能ですが、まずは病院で経験を積むことが大切です。病院以外の職場では、臨床経験が求められることがほとんど。看護師のキャリアを考えると、まずは医療機関で働き、少なくとも3年程度の実務経験を目指しましょう。

Q:病院以外へ転職する際の注意点は?

A:求人の倍率、転職先の給与面、仕事内容などをしっかり確認することが大切です。

下記でそれぞれ説明します。

求人の倍率を把握し、しっかりと対策をする

職場によっては、求人の倍率が高い場合があります。人気の職場に転職をしたい場合は、面接や試験への対策をしっかりとしておきましょう。

給与について確認する

病院以外の職場では、美容クリニックや一般企業を除いて、給与が低くなる可能性があります。自分のやりたい仕事や働き方、給与面のバランスを考えて転職活動を行いましょう。

仕事の内容について確認する

病院以外の職場では、看護業務以外の事務作業や介護、保育などを兼務することが多いです。そのため、どのような業務内容なのかあらかじめ把握しておいた方がいいでしょう。また、病院以外の職場では教育体制が整っていない場合も多いため、業務内容を自ら勉強する積極的な姿勢が求められることも注意しておきましょう。

病院以外にも、看護師として働ける職場はさまざま

今回は、看護師の病院以外の転職先をご紹介しました。病院以外の職場では、夜勤や残業が少なく、プライベートとのバランスが取りやすいという傾向にあります。ただし、給料が下がることや、看護スキルが活かしにくいデメリットもあるため、自分に合った条件の職場を見つけることが大切です。

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